マイクロソフトの対Appleシリコン戦略の一環か
Windows PC向けArmベースチップ、NVIDIAもAMDも2025年投入の情報
これまでWindows PC用CPUは、クアルコムの提供するArmベースか、インテルおよびAMDが製造するx86/x64系に限られていた。だが、新たにNVIDIAとAMDの両社は、Windows PC向けにArmベースのCPUを開発中だと米Reutersが報じている。
最新記事によると、NVIDIAはArmベースCPU設計を開始したとのこと。これはマイクロソフトがWindows PC向けArmチップ製造を支援する取り組みの一環であり、Mac向けにArmベースチップを投入してから3年で市場シェアを倍増させたアップルに対抗する狙いがあるという。
同じくAMDも、ArmベースのPC用チップ製造を計画しているとのこと。両社とも、早ければ2025年にもPC用チップを販売する可能性があるそうだ。
これまでマイクロソフトはWindows 11向けArmベースチップにつき、クアルコムと独占的に提携してきた。今回の報道はまさに、クアルコムがPC向け最新チップ「Snapdragon X」シリーズの詳細を明かす「Snapdragon Summit」の前夜に飛び込んできたものだ。このイベントには、Windowsおよびデバイス担当バイス・プレジデントのパヴァン・ダヴルリ氏を含むマイクロソフト幹部が参加する予定だという。
NVIDIAとAMDは、Windows PC向けArmベースチップ製造元として、クアルコムに加わる可能性があるとのこと。その反面、インテルがAppleシリコン(独自開発チップ)に対抗できるチップを投入すべしというプレッシャーをかけることになる。実際にReuters報道の当日、インテル株は3.06%下落して引けた。
かたやクアルコムのPC向けArmベースチップも、これまでは思わしい成果を上げていない。記事執筆時点では最新のSnapdragon 8cx Gen 3も、アップルのM2チップと比べてシングルコア・マルチコア性能ともに大きく差を付けられている。マイクロソフトとしても、クアルコムのみに依存するのは限界があると判断したのかもしれない。