「x86プロセッサーの2倍高速」とのこと

クアルコムのPC向け最上位チップ「Snapdragon X Elite」の性能がリーク

Image:Qualcomm

今月初めクアルコムは、PC向けハイエンドチップセット「Snapdragon X」シリーズを正式発表した次世代カスタムCPU「Oryon」の採用も明らかにされており、以前から噂されていた「Snapdragon 8cx Gen 4」の名前を変えた可能性が高い。

このOryonは、かつてアップルでAシリーズチップを手がけたNuviaチームが開発したもの。それを採用したSnapdragon Xシリーズも、M2チップなどAppleシリコン(独自開発プロセッサー)対抗とみられている。

その最上位チップ「Snapdragon X Elite」につき、「CPUとGPUはx86系チップより2倍高速」との噂が報じられている。

海外メディアWindowsCentralは、公式マーケティング資料らしき画像を掲載している。

Image:WindowsCentral

それによればSnapdragon X Eliteは12の高性能コアを搭載し、クロックは3.8GHz。以前「Snapdragon 8cx Gen 4」最上位バージョンには8つ高性能コアと4つの高効率コアが搭載されるとの噂もあり、今回の情報とは少し食い違っている。

RAMはLPDDR5xで、合計42MBのキャッシュと136GB/秒のメモリ帯域幅あり。この組み合わせにより、他社Armベース製品よりも50%優れたマルチスレッド性能を約束するという。

さらに内蔵GPUは、4.6TFLOPSの演算性能を達成するとのこと。この数値はPS4の2倍以上、Xbox Series Sと同等といったところだ。そして最大4K/120Hzの内部ディスプレイ、HDR10、トリプルUHDまたはデュアル5K外付けディスプレイ出力に対応とされている。

ほか、NPU(Neural network Processing Unit)も搭載して45TOPSの演算性能を持ち、「130億のパラメータを持つ生成AI」も実現すると謳われている。もっとも、どの生成AIを指しているのか不明であり、今のところ宣伝文句以上のものではないだろう。

クアルコム公式には、5G対応も予告されている。アップルのMシリーズチップ搭載Macにはない特徴ではあるが、今回のチップ仕様表には見当たらない。5Gモデムを、SoCとは別にマザーボードにハンダ付けする可能性もありそうだ。

Image:Qualcomm

今回のリークで注目すべきは、やはりSnapdragon X EliteがCPUとGPUともに「x86プロセッサーの2倍高速」であり、競合他社製品よりもピークパフォーマンス時の消費電力が1/3だと主張していることだろう。どちらも「具体的に何と比べているか」は不明だが、今後そこに注目が集まることは疑いない。

このうち前者につきVideoCardzは、クアルコムが第13世代Core CPUのRaptor Lake(28W)と比べているのではないかと指摘している。もっとも、Raptor Lake(28W)も何種類かバリエーションがあるため、曖昧であるには違いない。

クアルコムは10月24日に「Snapdragon Summit」を開催予定であり、その時に次世代SoCにつき確かな情報が公開されるはずだ。

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