そのため2023年内のノートPC出荷台数は落ち込む見通し
3nmチップ「M3」搭載MacBook、2024年発売のうわさ再び
アップルが初の3nmチップ搭載MacBookを2023年内に発売するか、それとも2024年に先送りするか、識者の間でも見解が分かれている。そんななか、サプライチェーン情報誌DigiTimesが2024年になると主張している。
これは同誌が発表した、2023年~2028年での全世界ノートPC出荷台数予測の中で述べられたことだ。新型コロナ禍が収束に向かった後の2年間、ノートPC市場が落ち込んでいるのは何度か伝えられてきた。今回のレポートは、それが2024年にはついに終止符が打たれ、今後は年平均成長率3%で成長するとの趣旨である。
その牽引力とされるのが、(アップル独自開発チップを含めた)Armベースのプロセッサを採用した新製品群である。アップルは「2024年にTSMCの3nmノードで製造されたCPUに移行して性能をアップグレードする予定」のため、2023年の出荷台数は大幅に減少する見通しとのこと。
つまり年内の落ち込みが顕著なため、来年3nmチップ、いわゆる「M3」プロセッサー搭載の新型MacBookが発売されれば売上が相対的に大いに伸びるというわけだ。
さらにクアルコムが自社開発したOryonベースのCPUを投入することも合わせて、2024年には出荷台数の伸びは4.7%に達する可能性があるとのこと。OryonとはアップルのMシリーズチップに対抗するCPUコアであり、クアルコムはこれを搭載したPC向けチップ「Snapdragon X」シリーズを開発中だと明らかにしている。
今年夏、BloombergのMark Gurman記者は、10月に初のM3チップ搭載Macが登場する可能性があると述べた。最近では6月に15インチMacBook Air、新型Mac StudioおよびMac Proを発売しているため、おそらく24インチiMac、13インチMacBook Air、13インチMacBook Proになると推測している。
その一方で、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、年内にM3シリーズチップ搭載MacBookが発売されないようだと主張していた。裏返せば「MacBook」以外の24インチiMacが出る可能性は否定していない。
最近DigiTimesは、アップルが電力効率を改善した(バッテリー持ちが良くなった)14/16インチMacBook Proについて、2023年内に発売準備を進めていると報じていた。今回の報道と合わせれば、「プロセッサーを更新せず画面だけマイナーチェンジした」機種が年内に登場するとも解釈できるが、サプライチェーン情報は時々刻々と変わりうるため、ゆるやかに受け止めた方がよさそうだ。
今のところM3チップに関しては、TSMCの3nmプロセスで製造される以外の情報はほとんどない。現行のM2チップと比べて性能および電力効率の改善が予想されているが、iPhone 15 ProのA17 Proチップに採用されたレイトレーシング対応GPUがMacにもやって来るのかもしれない。