望遠以外のカメラ2つは前モデルと同じ

iFixitによる「iPhone 15 Pro Max」分解動画が公開。A17 Proを確認、モデムは新型に

Image:iFixit

修理業者iFixitは、iPhone 15 Pro Maxの分解動画を公開し、その内部構造を詳しく解説している。先日、YouTubeチャンネルPBK Reviewsが公開したiPhone 15 Pro分解ビデオよりも専門性が高く、新たなパーツの分析や「修理しやすさ」が採点されている。

iPhone 15 Proモデル内部のシャーシ設計が変更され、背面ガラスが取り外しやすくなっていることは、PBK Reviewsでも述べていたとおりだ。ただしバッテリー交換には下部アセンブリを取り外す必要があり、スピーカーやTaptic Engine(振動モーター)を除去してから10個のネジに取り組むことになり、相変わらず手間がかかっている。

また今回は、iPhone 15 Pro Max専用のテトラプリズム望遠カメラも確認されている。その構造は「120mm相当の焦点距離を実現するため、光を複数回反射する」というもので、Galaxy S23 Ultra等にも採用されたペリスコープ望遠レンズと同じ原理である。

ただしメインレンズと超広角レンズは、iPhone 14 Pro Maxと同じように見えるという。著名リーカーのRevegnus氏も、中国Weiboユーザーが見つけたというCMOS(イメージセンサー)情報を紹介し、望遠カメラとLiDARスキャナだけが更新されていると述べていた。

https://twitter.com/Tech_Reve/status/1705409878481908094?s=20

このことから、光学5倍ズーム以外のカメラ品質の改善は、A17 Proチップとソフトウェアによるものと推測できる。

そしてロジックボードは、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxは共通とのこと。そしてA17 Proチップのほか、クアルコムの新型モデムチップ「Snapdragon X70」を搭載していると確認された。iPhone 14シリーズの「Snapdragon X65」よりも世代が新しく、実際に米国キャリアでも前機種より14~24%以上も高速化したとの検証結果もあった

ここまでは概ねプラス評価だが、iFixitは手厳しい評価も下している。まず、チタンフレームが「傷つきやすい」と指摘。従来のステンレススチールからチタンへの移行により、背面ガラスが壊れやすくなったとYouTuberが報告したばかりである。

またパーツのペアリング、つまりiPhone本体のシリアル番号と各パーツの紐付けがLiDARスキャナにまで拡大されたとのこと。要は、アップル直営店か正規代理店、ないしセルフサービス修理プログラム以外による修理を排除する仕組みである。

ちなみにペアリングとは、部品をアップル純正品と交換した場合でも、紐付けされていないため、一部が機能しなくなるというものだ。たとえばiPhone 13が発売された当時も、画面を交換するとFace IDが使えなくなると報告されていた

こうした事情から、iFixitはiPhone 15 Pro Maxの修理しやすさスコアを4/10と低めにしている。iPhone 14についても、当初は7/10と高めだったが、ペアリング拡大により4/10と引き下げられた

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