CPU性能以外もブラッシュアップ

iPhone 15 Pro、14 Proより10%以上性能アップか。A17 Proらしきベンチマーク登場

Image:Apple

アップルはiPhone 15シリーズをようやく発表し、iPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Maxには3nmプロセス製造の「A17 Pro」チップを搭載していると明かした。同社はA17 Proが前A16 BionicよりもCPUが最大10%、GPUが最大20%高速になったと主張しているが、それを裏付けるベンチマーク結果が出現している。

人気ベンチマークアプリの投稿サイトGeeknbenchには、「iPhone 16,1」と称するベンチマーク結果が登場。「iPhone 14,x」はA15 Bionic、「iPhone 15,x」はA16チップ採用のiPhoneを意味した前例から、「iPhone 16,1」はA17 Pro搭載のiPhone 15 Proモデルを指していると思われる。

それによれば、A17 Proのシングルコアスコアは2914、マルチコアスコアは7199。A16 Bionicのシングルコアが2519、マルチコアが6367だったことから、およそ13~15%向上といったところだ。

Image:Geeknbench

より古い世代のチップと比較すれば、高速化の度合いはより顕著となる。ここ数年のiPhone用Aシリーズチップや、Mac/iPad Pro用のMシリーズチップとの比較は、ざっと次の通りだ。

  • A15 Bionic:シングルコア 2183|マルチコア5144
  • A16 Bionic:シングルコア2519|マルチコア6367
  • A17 Pro:シングルコア2914|マルチコア7199
  • M1:シングルコア2223|マルチコア7960
  • M2:シングルコア2506|マルチコア9522

すでにA17 Proは、シングルコアではM1を抜き去り、マルチコアでも肉薄している。A17 Proのコア数が6、M1が8コアであることや、熱容量が限られたiPhoneでは「性能より電力効率(発熱低下)」に重きを置いたチューニングをしていると考えれば、進化はより明らかだろう。

また今回のベンチマーク結果は、iPhone 15 ProモデルのRAMが、前世代の6GBから8GBに増やされたことも確認できる。この仕様は今年初めに調査会社TrendForceが予想していたほか、米MacRumorsも発信していた。

なお、標準モデルiPhone 15/iPhone 15 Plusは、引き続きRAM 6GBだと予想されているが、こちらの裏付けも待ちたいところだ。

A17 ProはA16 Bionicよりも飛び抜けて高速というわけではないが、それは3nmプロセスの恩恵を様々な方面に振り分けているからだろう。1つには、電力効率の改善によるバッテリー持ちの長さ。また高度な3Dグラフィックを支えるレイトレーシングや、高品質なストリーミング動画を実現するAV1デコーダをハードウェアとして備えている。

さらにA17 ProのみがUSB 3コントローラーを搭載し、最大10Gpsのデータ転送が可能となった。iPhone 15標準モデルがUSB 2.0仕様、つまり上限480Mbpsに留まるのは、A16チップの限界ゆえで、アップルが意図的に低く抑えているわけではないだろう。

またiPhone 15 Proモデルは最大4K 60fpsのHDRビデオを外付けディスプレイに表示可能なほか(公式リリースで言及)、ProResビデオを外部ストレージに直接録画できることもiOS 17のコードから明らかとなっている。一般ユーザーへの恩恵は限られているが、本格的な映像制作にも耐えうる「Pro」仕様となっているようだ。

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