AI技術は有意義に活用してほしいもの

Google、11月よりYouTubeなどで政治広告における生成AI使用の明記を義務付け

Image:Sundry Photography / Shutterstock

Googleは11月より、生成AIを使用して作った政治広告に関し、その旨を「わかりやすく表示」することを広告主に義務付けることを明らかにした。生成AI使用の一例としては、「本物のように見える人物や出来事」の描写などが挙げられる。

また、AIを使用して誰かが何かを発言/実行したかのように見せかける広告であったり、実際の場面をAIによって加工したもの、もしくはAIによって実際に起こった出来事であるかのように装い捏造したものなど、実在しない場面を描くような広告も、同様にAIを使用していることを表示する必要がある。

このルールは映像だけでなく静止画や音声コンテンツにも適用される。

なおGoogleは、このルールには免債事項があり、たとえば映像の明るさや色合いの調整であったり、背景の多少の編集であったり、フラッシュなどで生じた赤目の補正といった「コンテキストの操作を含まない軽微な調整」には、AI使用の明記ルールは適用されないとしている。

米国の政治広告において、フェイク画像/動画/音声を使用した政治広告は特に目新しいものではないものの、生成AIの顕著な進歩によって、これまで以上にリアルで見分けにくいフェイクコンテンツが作られやすくなっている。たとえば共和党全国委員会は、AI生成画像を使用した民主党を攻撃する広告映像を4月に公開していた。

Googleはこの政治広告に関する新しいルールを、Google自身のプラットフォーム、特にYouTubeと、Googleの広告ネットワークを使用するサードパーティのウェブサイトに適用すると述べている。

今回のGoogleの対応に関連し、2024年の米国大統領選挙に向けて、Metaなどライバルのプラットフォームが同様の動きを示す可能性も考えられる。Metaはまだ、AI生成の政治広告に別段ルールを定めてはいないが、広告に用いられる画像や音声を「偽造、操作、変形」することを禁じている。一方、TikTokはいかなる政治広告も許可していない。

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