教育市場でChromebook対抗に?

アップル、低価格MacBookを開発中か。2024年に発売の可能性

Image:megaflopp/Shutterstock.com

アップルがMacBookの廉価モデルを開発しており、早ければ2024年に発売される可能性があると台湾の電子業界誌DigiTimesが報じている。

アップルは今年6月の開発者会議WWDCにて、M2チップと大型ディスプレイを搭載した15インチMacBook Airを発表した。同社幹部は「顧客が本当に欲しい製品」だと述べていたが、 少なくとも初期の需要は「予想より低い」とサプライチェーン関係者は語っていた

MacBook Airシリーズは手頃な価格が好評だったが、15インチモデルは高価になっている。加えて現在の経済感覚では、最も安価なM1 MacBook Airでさえ米国価格は899ドル~(日本価格は13万4800円)であり、学生が手軽に買えるとは言い難い。

さて、DigiTimesの情報筋によると「アップルは既存のMacBook AirおよびProラインとの差別化を図るため、低価格MacBookの新たな製品ラインを発表する可能性が高い」とのこと。筐体は金属製のままではあるが、素材は異なるものとなり、機械コンポーネントの単価も低くなるという。

この廉価MacBookは「Chromebookの位置づけと同じく、教育市場をターゲットにしたより手頃な価格を実現できるようになる」と予想されている。

今やほとんどのノートPCメーカーが、学校や簡単な事務作業に使えるChromebookを提供している。かたやMacBookには、そこまで低価格・低性能に割り切ったラインアップはない。エントリーモデルのiPadは教育市場でChromebookと競合してきたが、ノートPCではないし、純正Magic Keyboardを追加すればかなりの価格にもなる。

またiPadOSは、ノートPC代わりに使うには、まだ洗練されているとは言い難い。昨年のiPadOS 16により、ようやく1つの画面内で複数のウィンドウを扱えるようになったが、PCとは操作感覚が大幅に異なる。それにフル機能が使えるのは最上位のiPad Pro(M1チップ以上)のみであり、エントリーモデルiPadは依然としてタブレットの域を出ていない。

ほか、iPad向けの小型版macOSをテスト中との噂話もあったが、そちらも「M2 iPad Pro専用」とされていた。MacBook市場との共食いを避けるためにも、高価なProモデル以外にmacOSを本格的に導入するのは抵抗があるのかもしれない。

MacBook AirやMacBook Proは徐々に値上げされており、Airモデルも廉価とは言い難くなっている。そんななか、格安MacBookにより仕切りなおすことは理に叶っているだろう。

実際、マイクロソフトも2018年に低価格な「Surface Go」シリーズを発売し、教育の現場や中小企業の市場を開拓しつつある。アップルも、手頃な価格と軽量さに重きを置いたMacBookを投入すると期待したいところだ。

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