プライバシー保護が不徹底なら問題視されそう

Meta、動画をライブ配信できる第2世代スマートグラスを2023年秋に発売?

Image:Meta/YouTube

Metaがレイバンを手がけるエシロールルックスオティカと共同開発したスマートグラス「Ray-Ban Stories」は、購入した人の90%以上が使わなくなったとの報道もあった。写真や動画を撮ったり通話も可能、Meta傘下のFacebookやInstagram等とも連携していたが、様々な技術的トラブルを抱えていて、13%が返品されたとのことだった。

そんなRay-Ban Storiesの第2世代モデルは、視聴者に動画をライブストリーミング配信でき、その視聴者と会話できるとの内部情報がリークされた。

テックジャーナリストのJanko Roettgers氏は、第2世代モデルがFacebookやInstagramに直接ビデオを配信できるほか、視聴者の声が聴けるという社内文書を見たという。「ライブ配信者は視聴者と直接コミュニケーションを取ることができ、メガネ内蔵ヘッドホンから音声でコメントを伝えられる」とのことだ。

本製品はライブストリーミング対応のため「バッテリー持ちの改善とより良いカメラ」(社内文書からの引用)が実現するという。初代モデルは写真や短い動画を撮影できたが、ライブ配信には非対応だった。さらに周囲の騒音レベルをチェックし、騒がしい場合はオーディオ再生の音量を上げる機能もあるとのことだ。

またMetaは、プライバシー保護の強化も検討しているという。これは初代モデルの発売直後、欧州の規制当局が懸念を表明していたことに対応するものだろう。

たとえばアイルランドのデータ保護委員会(DPC)は、ビデオ撮影中に光るLEDインジケーターが「非常に小さな」ため、録画されている危険性を周囲に警告するには不十分だと指摘していた。実際、小さなマスキングテープを貼り、それを黒く塗ることで完全に隠せたとの報告もある

第2世代モデルでは、LEDが何らかの改造を受けていた場合は、写真や動画が撮影できなくなるとのことだ。

すでにGoPro等のアクションカメラでのライブ配信は定着しているが、そちらは本体サイズもそれなりにあり、撮影者も手持ちなど「カメラを着けている」ことが明らかなため、レンズを向けられた人々も気づきやすい。プライバシー保護を徹底しなければ、トラブルも招きやすくなり、普及の妨げになる恐れがあるはずだ。

今後のMetaによるAR/VRハードウェア製品ロードマップは3月にリークされており、Ray-Ban Storiesの第2世代が今年秋に発売予定であるとも報じられていた。

さらに2025年の第3世代では、「ビューファインダー」と呼ばれる小型ディスプレイが追加され、受信したテキストメッセージを見たり、テキストを翻訳できる見通しだという。そして真のARメガネ「Orion」は現実世界に高品質のホログラムとしてアバターが投影できるものの、2027年まで発売予定はないとのことだ。

Metaは昨年11月に続き、今年4月にも(3月に予告した通り)大規模レイオフを実施していたが、社内のVRスタジオも大きな影響を受けたと報じられていた。短期的にはAR/VRハードウェアは利益に繋がりにくいと思われるが、大ナタが振るわれないよう祈りたいところだ。

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