ついに処理速度や省電力性能が向上する?

「Apple Watch Series 9」で4年ぶりにCPU刷新、A15ベースの新型SoC採用か

Image:charnsitr/Shutterstock.com

アップルは今年秋に次期「Apple Watch Series 9」を発売するとみられているが、本製品にiPhone 13シリーズで初採用されたA15 Bionicベースの新型プロセッサーが搭載されると著名ジャーナリストが主張している。

BloombergのMark Gurman記者は、自らのニュースレター「Power On」購読者向けのDiscordチャンネルでこの情報をシェアした。これまでApple Watch Series 9のハードウェアに関する噂はほとんどなく、おそらく初出の予想である。

まずGurman氏は、Series 9のチップは先代チップのリブランド(名称を変えるだけ)ではなく「新しいプロセッサー」になると発言。そのチップはA15をベースになるのかとの質問に対して、そうだと考えていると答えている。

ここ数年のApple Watchは、プロセッサー的には停滞気味だった。現行のApple Watch Series 8に搭載されたS8(S8 SiPデュアルコアプロセッサー)のCPUは、Apple Watch Series 6用の「S6」やApple Watch Series 7の「S7」と同じであることが判明している。つまりCPU的には3年間変わっていないものを(周辺チップ等は改良されているとしても)投入し続けたわけだ。

これらのプロセッサーは、iPhone 11シリーズに搭載されたA13 Bionicをベースにして、TSMCの7nmプロセスで製造されている。対してA15は5nmに移行していることから、プロセスルール(回路線幅)の微細化により処理速度や省電力性能の向上が期待できるはずだ。

強力なA15技術を活用した最新チップは、watchOS 10で導入されるという初代以来の「最大級のアップデート」を活用することに役立ちそうだ。次期watchOSはインターフェースが全面的に刷新され、主にiPhoneのようなウィジェットに重きが置かれると見られている。

Apple Watch Series 9は、新型プロセッサーを除けばSeries 8とほぼ同じものになる見通しである。新たな健康関連センサーの搭載についても、血圧測定は早くて翌2024年、血糖値測定は「数年先」になる模様だ

とはいえ、アップルにとって技術的に困難なことは、競合他社にとってはそれ以上であり、同社が健康関連ウェアラブル分野で先を超されるとは考えにくい。スマートフォンの覇者であるiPhoneと連携したエコシステムもあり、当分はApple Watchの天下が続きそうだ。

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