マイクロLED初搭載のApple Watch Ultraは2026年発売?

アップルが「マイクロLED」開発中、iPhoneやApple Carにも搭載予定の噂

Image:Prince9/Shutterstock.com

現在アップルは、主要製品のディスプレイに有機ELを採用している。これを長期的には新技術の「マイクロLED」に置き換えていく方針であることは、複数の情報源が伝えてきた。

その最新情報として、同社がすでにマイクロLEDディスプレイの初期生産を始めており、ヘッドセットやiPhone、車載用途を含む幅広い製品群に採用する可能性があると報じられている。

台湾の調査会社TrendForceによると、アップル初のマイクロLED搭載製品となるApple Watch Ultra後継モデルの発売は、サプライチェーン調整のため、2025年から2026年に延期されたとのこと。同社は先月も「大量生産に踏み切る前に解決すべき製造コストの高さに関する問題」により、2026年第1四半期までに登場する可能性は低いと主張していた

いずれマイクロLED搭載のApple Watch Ultraが登場する見通しは、BloombergのMark Gurman記者やディスプレイ専門アナリストRoss Young氏など、複数の識者で一致していることだ。当初は2024年と予想され、やがて2025年にずれ込む可能性が浮上し、さらに「2025年発売」となり、どんどん発売が遠のいている感もある。

Trendforceいわく、マイクロLED版Apple Watch Ultraは、画面サイズが現行の1.9インチから2.12インチになるとのこと。つまり、画面が約10%大きくなる。ほかにも輝度や色再現性、視野角が改善されるとも予想されている。

またGurman氏は、アップルが本技術をApple Watch Ultraに初採用した後、iPhoneやiPad、Macに搭載する計画があると報じていた。しかし、現時点ではマイクロLED技術が複雑なため、Macに搭載できるまで10年かかる可能性があるという。

なぜアップルは、マイクロLEDへの移行を進めようとしているのか? それはサムスンに有機ELパネルの供給を依存している現状から脱却するためだとみられている。The Informationは、アップルが約10年以上もマイクロLED技術の開発を続けていることや、2017年のiPhone Xで有機ELではなくマイクロLEDを採用する予定だったが断念したと報じていた。

アップルは水面下で巨額のR&D投資を続けつつも、信頼性や量産体制が万全となるまでは新技術を採用しない傾向がある。たとえばiPhoneのモバイル通信規格にせよ、LTEや5Gへの対応はスマートフォン各社の中でも最後発となっていた。マイクロLED版のiPhoneは、現行の有機ELモデルよりも高輝度化、消費電力の低減、コントラスト比の改善などが期待できるというが、数年のスパンで気長に待った方がよさそうだ。

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