コア数は微増だが3nm化の恩恵が大きい?

次期Macの「M3」コア構成が判明?「M3 Max」はGPU40コア以上か

Image:arda savasciogullari/Shutterstock.com

アップルの次期「M3」チップ搭載Macは2023年末から発売され、2024年にかけてバリエーションの展開が予想されている。2023年内に「M3」が投入された後に、よりパワフルな「M3 Pro」と「M3 Max」が来年登場するという具合だ。

これら3つのチップにつき、CPUとGPUの詳細な構成を著名ジャーナリストが報じている。

アップルの未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、アップル社内でM3チップ搭載Macがテスト中だという。これまで新型24インチiMacやMacBook Air、MacBook Proの情報を発信してきたが、そこに「M3 Mac mini」も加えた格好だ。

まずM3のCPUとGPUのコア数はM2と変わらず、8CPUコアと10GPUコアとのこと。その一方でM3 Proは12CPUコアと18GPUコアに達し、M2 Pro(下位バージョンは10CPUコア+16GPUコア)を凌ぐという。ここまでは、5月のリーク情報の再確認である。

目新しいのは、M3 Maxのコア構成が伝えられていることだ。すなわち、CPUコア数14、GPUコア数は40以上だと推測されるという。現行のM2 Maxは、CPU12コア+GPU30コア、ないしCPU12コア+GPU38コアである。

いずれもコア数は据え置きないし微増に留まっているが、M3チップは次期iPhone Proモデル用の「A17 Bionic」と同じく、TSMCの3nmプロセス技術による製造が予想されている。現行のM2が5nmチップであることから大きな飛躍となり、性能と電力効率ともに目覚ましい改善が期待できるはずだ。

またM3は次期iPad Proにも搭載がほぼ確実だが、タブレットは筐体が小さいため冷却性能も限られている。それを考慮すれば、発熱の大きな高性能コアを増やすわけにはいかなかったのかもしれない。

今回Gurman氏が「サードパーティの開発者ログ」からの情報を含め、知っている開発中のM3 Macは以下の通りとのことだ。

  • M3 13インチMacBook Air(コードネーム:Mac 15,1、J513/J613)
  • M3 15インチMacBook Air(コードネーム:Mac 15,2、J515/J615)
  • M3 13インチMacBook Pro(コードネーム:Mac 15,3、J504)
  • M3 iMac(コードネーム:Mac 15,4、Mac 15,5、J433、J434)
  • M3 ProおよびM3 Max 14インチおよび16インチMacBook Pro(コードネーム:Mac 15,7、Mac 15,8、J514、J516)
  • M3 Mac mini(コードネーム:Mac 15,12)

これらM3 Mac群はいつ発売されるのか? アップルは今月初めの第3四半期業績発表で、次期四半期のMac売上は2ケタ(%)の割合で減るとの見通しを述べていた。つまり、2024年度第1四半期(10月~)までは新型Macを投入しない可能性が高いと示唆しているのだろう。

今年6月発売の15インチMacBook Airは、1年近く前の13インチモデルと同じM2チップ搭載ながらも、アップルは「顧客が本当に欲しい製品」との自信を持って送り出していた。しかし、初期出荷はサプライチェーンが予想した半分にすぎないとの報道もあり、顧客が求めるのは広い画面以上にパワーやバッテリー持ちの改善なのかもしれない。

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