それが部品の調達遅れに繋がる可能性も

iPhone 15、標準モデルのメインカメラ画質がProを上回る可能性

Image:Qracon/Shutterstock.com

今年の「iPhone 15」シリーズのうち標準モデルは、メインカメラの画素数がProモデルと同等の48MPとなるものの、イメージセンサーが小さいために画質が劣ると予想されていた。が、標準モデルにはより多くの光が取り込める新型センサーが搭載され、Proより画質が勝る可能性を著名アナリストが示唆している。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏は、最新レポートで「2023年後半のiPhone 15通常版に続き、2024年後半のiPhone 16 Proの2モデルにも積層型デザインCIS(CMOSイメージセンサー)が採用されるため、ソニーのハイエンドCISの生産能力は2025年まで逼迫が続く」と述べている。

つまり、高価なProモデルに先がけて標準モデルに最新技術が搭載される一方、今年のProモデルには実装されないというわけだ。もっとも、光学望遠レンズやLiDARスキャナ(レーザー光を使って物体の形状や距離を測定するセンサー)は依然としてPro専用と見られており、標準モデルとの格差は保たれるだろう。

ここでいう「積層型デザインCIS」とは、ソニー製の画素積層型CISのことだろう。2層型については「従来比約2倍の飽和信号量によるダイナミックレンジ拡大とノイズ低減」が謳われており、要は取り込める光の量が多くなって画質が上がりやすいということだ。

今回の報告に先立ち、香港Haitong International Securitiesのアナリスト、Jeff Pu氏も、iPhone 15標準モデルのメインカメラが48MPになると予想。「新たな3層積層型センサー」が使われ、より多くの光を取り込み画質が改善すると述べていた

今後もフラグシップiPhoneは、カメラ性能向上に邁進することが予想されている。2024年の「iPhone 16 Pro」モデルも、画面サイズを少し大きくすることで内部スペースを確保し、小さなProと大きなPro Maxともにペリスコープ望遠レンズが搭載されるとKuo氏は主張していた

さらに、iPhone 16 Pro Maxのメインカメラは、ガラスレンズ×2枚とプラスチックレンズ×6枚にアップグレードされるとのリーカー情報もある。これは今年のiPhone 15 Pro Maxに搭載されると噂のガラスレンズ×1枚+プラスチックレンズ×6枚より強化されることになる。

しかしカメラ性能の強化は、これまで大量生産された前例に乏しい部品を採用することで、供給不足に繋がることもある。

たとえば上記のPu氏は、積層型センサーが歩留まりの問題を抱えている可能性が高く、そのためiPhone 15標準モデルの生産が遅れるかもしれないと述べていた。またiPhone 15 Pro Max専用のペリスコープ望遠レンズも、生産歩留まりが予想を下回っているとの報道があった

その一方で、来月13日(米現地時間)にiPhone 15発表イベントが開催されるとの予想も有力となっている。製造上の問題がすべて解消し、発売日当日には潤沢な在庫が確保できていることを期待したいところだ。

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