近隣住民にとっては笑い話じゃない

App Store、元Twitterの「X」改名を許可。Xロゴ電飾に苦情殺到で撤去の騒動も

Image:X/App Store

イーロン・マスク氏が「X」に改称したはずのTwitterだが、アップルのApp Storeではアプリ名が依然として「Twitter」のままだった。これは規約に「アプリ名は2文字以上30文字以下」というルールに抵触したためだが、8月1日現在ではただ1文字の「X」で表示されている。

アップルがApp Storeガイドラインの例外を認めるのは珍しいが、マスク氏との間で事を荒立てたくないためかもしれない。昨年末、マスク氏はアップルがTwitterから広告を削減したと非難したが、同社のティム・クックCEOと会談をした後に「誤解は解消した」と述べていた

Xへの改名と同時に、App Storeでのキャッチフレーズも米国では「it’s what’s happening」から 「blaze your glory!」へと変更。なお、日本のストアでは今なお「Let’s Talk」のままで、更新履歴も「Twitterをさらに快適にご利用いただくため」とある。

より重要な変更は、日本版では投稿が「ツイートする」から「投稿する」、「リツイート」が「repost」に切り替えられたことだろう。すでに日常的な“動詞”として定着していたツイートやリツイートが公式には消滅させられた格好だ。

それほどまでにマスク氏が思い入れある「X」のロゴは、一時サンフランシスコ本社の屋上に巨大な看板が設置され、派手にライトアップされていた。光量が大きな上に点滅したため、現地の建築検査局には24件もの苦情が寄せられていたという。ある人は、ライトのせいで眠れないと訴えていたとのことだ。

それからまもなく、巨大なXロゴは撤去された。一部は土嚢で支えられていたというから、設置も突貫工事だったようだ。

市の訴状によると、元Twitter社は屋上への立ち入りを求める検査官に対して「イベント用の一時的な電飾看板だ」と説明し、何度も拒否したという。

さらに「無許可の照明構造物の設置」とされ、当局の許可も取っていなかったと判明。ロゴの撤去にも許可が必要だが、目下安全上の懸念があるため、後でも可能としたとのこと。無許可の設置については罰金が科せられ、「構造物の設置および撤去のための建築許可と、建築検査局および計画局の調査費用」に充てられるそうだ。

Xロゴへの変更も、派手な看板の設置も、すべてが突貫工事。とてもマスク氏らしい振る舞いではあるが、稲光のような電飾で寝不足になった近隣の住人はたまったものではなさそうだ。

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