アップルのTwitter広告は「完全に再開」

App StoreからTwitterアプリが削除される懸念が解消

Image:DVKi/Shutterstock.com

先日イーロン・マスク氏は、アップルがTwitterへの広告を削減したと不満を表明し、さらに「App StoreからTwitterを削除すると脅された」ともツイートしていた

そこから一転して、マスク氏はTwitterがApp Storeから排除されるとの誤解が解けたことや、アップルのTwitter広告が「完全に再開された」と述べている。

これらの転機となったのは、11月末にマスク氏がアップル本社を訪問し、同社のティム・クックCEOと会談したことだ。その直後、マスク氏は「いい対話だった。TwitterがApp Storeから削除される可能性があるという誤解を解消したよ。ティムは、アップルがそうすることを決して考えていないのは明らかだった」とツイートしている。

さらにマスク氏は、先週末のTwitterスペース(音声チャット)にて、アップルはTwitterへの広告掲載を「完全に再開した」と述べ、同社はTwitterにとって最大の広告主だと付け加えたという。自家用機から、9万人以上のリスナーに向けての発言である。

その後まもなく、マスク氏は改めて「Twitterに戻ってきてくれた広告主に感謝の意を表する」ともツイートしている。アップルが広告掲載を再開したことを、強調する意図のようだ。

Appleは常にTwitterの最大手の広告主であり、広告費は年間1億ドルを超えると言われている。2022年の第1四半期(1月~3月)だけでも4800万ドルを費やしていたとの報道もあった

マスク氏がアップルとの全面対決を避けたい動機は、非常に分かりやすい。1つには、今なおTwitterにとって広告費が最大の収入源であり、アップルという大手クライアントを失いたくないことだ。もう1つは、15億台以上ものiOS/iPadOSデバイスに繋がるApp Storeからアプリを締め出されることは、Twitterにとって致命的になることである。

では、アップルが妥協する理由とは何か? 同社の内部事情に詳しいBloombergのGurman記者は、自身のニュースレター「Power On」で興味深い考察を述べている。

もしもアップルがTwitterをアプリストアからブロックした場合、クックCEOをはじめ上層部は米議会に召還され、数週間も証言する事態になりかねない。それにより「アップルのブランドは汚され、政治的に偏向しているとみなされる」という。逆にiPhoneなどにとっても「消費者をアップル製品に釘付けにする」ことを助けるアプリがなくなるのは痛手だというわけだ。

しかし、まだ両社の対立は終わらないかもしれないという。もしもマスク氏が有料プラン「Twitter Blue」の月額料金につきApp Store手数料を回避しようとすれば、クック氏は本当にTwitterを削除するかどうか決断を迫られるとのことだ。

実際、Epic Games社が大人気のゲームアプリ「Fortnite」に独自のアプリ内課金を実装してApp Store手数料を逃れようとしたとき、同アプリが削除されている

マスク氏は、アップルのアプリストア手数料を「秘密の30%税金だ」と批判しており、この発言は撤回されていない。どうにか “アップル税” を避けるために有料プラン「Blue」再開を延期したとの噂もあるが、今後の動向に注目したいところだ。

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