さようなら、全ての青い鳥

「Twitter」ブランド終了、「X」に改名へ。青い鳥ロゴもリストラ

Image:mundissima/Shutterstock.com

実業家のイーロン・マスク氏は、自ら所有するTwitterのブランドを「X」に変更し、青い鳥のロゴも廃止する意向を明らかにした。今後は「X」のロゴが使われる予定であり、まもなく公開される予定だという。

これはマスク氏が一連のツイートで公にしたことだ。その始まりは「まもなく我々はTwitterブランドに別れを告げ、徐々に全ての鳥とも別れを告げるだろう」と述べたことだ。

それに続き「今夜、十分に優れたXロゴが投稿されれば、明日世界中で公開される」としてロゴの案を募った。その結果なのか、マスク氏はソーヤー・メリット氏からのXロゴをピン留めしている。

さらに「Deus X」などツイートしたほか、Twitter Spacesの 「イーロン・マスクを召喚するまで誰も話さない」というセッションに参加し、1時間も無言を続けてから口を開き、Twitterのロゴを変更することを確認したという。

また米New York Timesほか複数のメディアが、マスク氏が従業員にブランド名をXに変えるとのメールを送り、Twitterのアドレスからメールを送るのはこれが最後だと告げたと報じている。

そして現CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏も「Xはさらに進化し、世界の街の広場を一変させるだろう」とツイート。その後のつぶやきでも「Xはすべてを提供できるプラットフォームになるだろう」として、ブランド名がXに変わることを強調しているようだ。

「X」の文字は、過去20年以上にわたってマスク氏がこよなく愛してきたものだ。かつて共同創設したオンライン決済会社の社名はX.com(PayPalの原型の1つ)であり、Space Xの社名やテスラのSUVの名前にもあり、今年4月にはTwitterもマスク氏のX Corp.と合併して「Xが運営するTwitter」となっていた。

なぜ、長年親しまれたTwitterのブランド名を「X」に変えるのか? ヤッカリーノ氏はXにつき「オーディオ、ビデオ、メッセージ、決済/金融取引を中心に」「AIを搭載したX」など、あらゆるジャンルを包摂する意向を示している。

これは、マスク氏が中国の何でも入りアプリWeChatを目標として掲げたこととも一致している。つまり、Twitterを単なるテキストベースの会話アプリから、総合的なプラットフォームに変えると宣言しているのだろう。

とはいえ、それは大規模なユーザー人口があってこそのことだ。このところTwitterはツイート表示数を一時的に制限したり、スパム対策として無料ユーザーが1日に送れるDM数を制限するなど、混乱を招きかねない施策を連発している。

それに17年以上もの歳月を積み重ねたTwitterブランドの廃止は、広告の出稿にも影響を与える恐れもある。マスク氏自らが「広告収入が約50%も落ち込んだ」と述べたばかりである。

もっとも、ユーザーにとって当面の気がかりは「今後、ツイートをどう呼べばいいんだ?」ということかもしれない。

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