昨年は工場での新型コロナ禍と抗議デモ
iPhone 15 Pro/Pro Max、発売後に“深刻な品不足”の予測。ディスプレイ部品に問題か
今年秋に登場とみられる「iPhone 15」シリーズのうち、高価なProモデルが深刻な品不足になる可能性があると、独自の情報源に定評あるThe Informationが報じている。その原因は、ディスプレイの製造過程に問題が生じているためだという。
The Informationの情報源は、「この問題を直接知る2人の人物」とのこと。それによれば、アップルは「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」のディスプレイに「新しい製造プロセスを使っている」とのこと。
iPhone 15 Pro両モデルは、ディスプレイ周りのベゼル(額縁)が極薄となるとの噂は何度も報じられてきた。それを裏付けるフロントガラス画像も、先日流出したばかりだ。
これはiPhone本体のサイズはほとんど変わらず、より画面が広くなることを意味している。アップル未発表製品のディスプレイ仕様を的中させてきたアナリストRoss Young氏も、iPhone 15 Pro Maxの画面が約6.9インチ(現行モデルは6.7インチ)に大型化すると予想していた。
しかし今回の情報筋によると、LG製ディスプレイに問題があると分かったそうだ。これが発覚したのは、組立を担当するFoxconnが量産の「risk ramp」段階に入ったときだという。「欠陥のない製品をどれだけ確実に製造できるかをテストするために、何十万台ものデバイスを製造する」時点のことだ。
LG製ディスプレイは、低圧射出オーバーモールディング(LIPO)という新工程を経た後、信頼性テストに不合格になったという。これは組み立ての前に、ディスプレイを金属製シェルに融合させる工程のこと。そのため、LG製ディスプレイが基準を満たせるよう、設計の微調整を繰り返しているそうだ。
それでも、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの発売を延期する可能性は低いとのこと。その代わり、9月に数量限定での発売を進める意向だという。この問題はiPhone 15 Pro Maxの方が顕著であり、iPhone 15 Proよりも深刻な品不足になりそうだ、と語られている。
ただし、この問題はサムスン製ディスプレイに影響なく、「かなりの台数の組み立てを続けることができる」とのことだ。
昨年のiPhone 14 Proモデルは深刻な品不足になったこともあり、今年はFoxconnも生産の目詰まりを避けるために先手を打っていると報じられていた。
前回は工場内で新型コロナ禍が感染拡大したなか、約束された特別ボーナスも支払われなかったことで不満が爆発し、従業員が抗議デモを起こす騒動となっていた。そのため、今年は1か月内にボーナスを2回もアップしたというが、また別の問題が降りかかってきたようだ。
折しもバンク・オブ・アメリカのアナリスト(iPhone 12シリーズの発売延期も当てた)も、iPhone 15シリーズの発売が遅れそうだと予想したばかりだ。早めに入手したい人は、予約開始当日に即注文したほうがいいかもしれない。
- Source: The Information
- via: 9to5Mac