結局、裁判へ

マスク氏、Twitter買収撤回をSECに申し入れ。裁判になれば長期化も

Image:Twitter

大手SNSのTwitterを、440億ドルという巨額で買収することで大きな話題となった大富豪イーロン・マスク氏は、米現地時間8日金曜日に、この買収を撤回することを明らかにした。しかしTwitter側は依然として「取り引きを完了するつもりだ」と声明を発表し、マスク氏が合意した内容を遵守しないなら法的措置を講じるとしている。

マスク氏は4月に、1株あたり54.2ドルでTwitterを買収する契約にサインしており、その内容にはいずれかの当事者が契約を解除する場合、10億ドルの違約金を支払うと記されている。

しかしマスク氏は合意してから間もなく、サービス上の「収益化可能な1日のアクティブユーザーのうち5%未満がボットまたはスパムアカウント」というTwitterの報告を不服とするツイートを連発し、取り引きを保留すると主張した。

ボットアカウントとは、自動で定期的にツイートを発し続けるアカウントのこと。ボットアカウントそのものはTwitterの利用規約上禁止されてはいないが、なかには無意味だったり、迷惑な内容のスパムツイートを発するだけのものもある。マスク氏は、外部機関の調査では、ボットアカウントが10~20%を占めているというデータもあることから、Twitter上にもっとたくさん溢れていると主張していた。

Twitterは、マスク氏がボットアカウントの数に不服であることを受け止め、サービス上のすべてのコンテンツにアクセスできる”神視点ツール”「firehose」へのアクセス権をマスク氏に提供する、ノーガード作戦に打って出た。そしてそれ以降、マスク氏のTwitter買収に関する発言は少なくなったようだった。

しかしマスク氏の弁護士は、今回の買収撤回に関する書類でTwitterに「契約上の複数の条項で重大な違反」があったと主張。依然としてボットアカウントの蔓延について、Twitterが「虚偽の誤解を招く表現」をしていると非難した。

CNBCは、マスク氏の主張について法律の専門家の意見として「Twitterが(ボットアカウントの数について)不実な報告をしたと疑うことはいくらでもできる」ものの、契約を撤回するほどの「重大な違反」とは、会社の潜在的な収益に長期的な影響を与えるほど酷い虚偽の主張でなければならず、マスク氏は「それが事実だとする証拠を出していない」と伝えている。

そして合併契約には「特定の履行条項」があり、Twitterはマスク氏がまだ債務融資を受けている限り、マスク氏に訴訟を起こし、取引を完遂させる権利があるともCNBCは報じている。

Twitterのブレット・テイラー会長はマスク氏の買収撤回に対して、Twitter取締役会では、マスク氏が合意した価格と条件で取り引きを完了することを約束しており、この契約を実行するための法的措置を講じる予定だ」とツイートした。そして、そうなれば「勝訴すると確信している」と自信満々に付け加えた。

今後の展開としては、テイラー会長いわく「デラウエア州の衡平法裁判所に提訴」することとなり、そうなればおそらくマスク氏は「契約に基づく義務を履行し、合併を完了する」よう命じられるだろうとCNBCは伝えている。

ただし、両者が和解に舵を切る可能性もあるとし、Twitterが、1株54.2ドルの条件をわずかに譲歩する可能性も指摘されている。

なお、買収契約の成立当初は、Twitterの臨時CEOに就任するだの、ドナルド・トランプ前大統領のアカウントを復活させるだのとノリノリだったマスク氏だが、テスラ株はTwitter買収契約もあって大幅にその価値を下げてしまっており、テスラ社内からの反発もあった。

株式市場では半導体不足とロシアのウクライナ侵攻などから、ここ数か月とくにハイテク株が下落している、またマスク氏が入れ込んでいた暗号通貨界隈も、目も当てられないほど相場が下落した。

ちなみに今回マスク氏のTwitter買収撤回が報じられてから、Twitter株は急落し、テスラ株は緩やかに上昇している。

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