「道徳的にも悪い決定」とも発言

トランプ元大統領のTwitter追放、「撤回する」とイーロン・マスク氏

Image:Future of the Car(FT LIVE)

5月10日にイーロン・マスク氏は、Financial Timesが開催したカンファレンス「Future of the Car」で、ドナルド・トランプ前大統領に対するTwitterの決定を「撤回する」と述べた。マスク氏はTwitterの買収手続きが完了後、暫定CEOの座に就く見込みだ。トランプ氏は2021年、暴徒による米議会への襲撃を称賛したことを発端として、アカウントを永久追放処分されていた。

マスク氏は、トランプ氏のアカウント追放について「この国の大勢の意見を無視し、最終的にドナルド・トランプが発言権を失う結果になったのだから、それは間違いだったと思う」と述べ「自分なら永久追放を撤回する」と続けた。そして「自分はまだTwitterを所有していないので、これは絶対そうなるというわけではない。もし私がTwitterを所有できないことになればどうなるだろうね」と付け加えた。

マスク氏は以前より、Twitterは自由に発言できる場であるべきとの主張を繰り返しており、株式を取得して個人筆頭株主になってからは、トランプ前大統領のアカウントを復活させるかどうかという話題が取り沙汰されるようになっていた。そして、マスク氏本人がトランプ氏のアカウントを復活させる意思を示したのはこれが初めてだ。

図らずもTwitter復帰の可能性が湧いてきたにもかかわらず、トランプ氏は「この短文SNSには戻る気がない」と発言している。トランプ氏は今年、言論の自由を基本方針とするSNS「Truth Social」を立ち上げたばかりで、そちらへの参加を表明済みだ。

トランプ氏がTwtterに戻らないと主張していることはマスク氏も認めたが、アカウントを永久追放すべきは「ボットやスパム、詐欺アカウントの類い」であるべきだと持論を展開し、生身のユーザーをアカウント追放にすれば「誰でも発言できる公共の場としてのTwitterへの信頼を根本的に損なうだけだと思う」と述べた。

Twitterの幹部は、マスク氏がTwitter買収を完了したあとで会社をどの方向へ導こうとするかは「わからない」と述べている。従業員らは、これまでSNSとしての健全性を保つために取り決め、実施してきた方針の多くを覆されるのではないかと懸念していると伝えられている。

ただしマスク氏のTwitter買収は、これまでカリフォルニア州のごく一部でしかないシリコンバレーの人々が好むリベラルな主義主張をプラットフォームのポリシーとして押しつけられる、そのことに不満を持っていた保守側の人々を活気づかせている。

なお、トランプ氏のアカウント永久追放を決断した当時のTwitter CEO、ジャック・ドーシー氏は、今回のマスク氏の発言を受けて、トランプ氏のアカウント追放は「ビジネス上の決定だった」と説明。「われわれは常に自分たちの決定を再検討し、必要に応じて更新する必要がある」と述べた。マスク氏はさらに明確に、永久追放は「道徳的にも悪い決定」だとしている。

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