マイクロソフトの情報網が確かだと思いたいが

「PS5 Slim」は今年後半に発売予定 – マイクロソフトが主張

Image:Jomic/Shutterstock.com

ソニーが新型PlayStation 5を準備中であり、それが薄型の「Slim」か着脱式ドライブ対応モデル(それをSlimと呼ぶ説もあり)になるとの予想は何度も届けられてきた。これまでは事情通の間での噂に過ぎなかったが、マイクロソフトもそう考えていることが分かった。

これは、米FTC(連邦取引委員会)がマイクロソフトのアクティビジョン・ブリザード買収計画を差し止めるための訴訟で提出された文書から明らかになったことだ。

本文書はマイクロソフト側が提出したもの。同社は判事に、Nintendo SwitchはXbox Series X|SやPS5と同じ市場だと考えるべきだと説得しようとしている。

先日も同社は「Xboxは家庭用ゲーム機戦争に敗れた」とわざわざ主張していたが、要はFTC側が「マイクロソフトはアクティビジョン買収により優位性を強める恐れがある」と主張しているため、それを打ち消すべく「負け犬」ぶりを強調し、一材料として圧倒的に売れたSwitchが同じ土俵だと言っているわけだ。

さて今回の文書によると、マイクロソフトは「PlayStationも(ゲーム機の2種類のバージョンを用意している競合他社と)同じく、より安価なデジタルエディションを399.99ドルで販売しており、PlayStation 5 Slimも同じ価格帯で今年後半に発売する予定」だと述べている。

それに続く段落では「近い将来(Blu-rayドライブのある通常版とデジタルエディション以上に)より差別化したProモデルとSlimモデルをリリースする」とも付け加えている。その真偽はともかく、マイクロソフトがそう認識していることは事実のようだ。

今回のマイクロソフトの認識が鵜呑みにし難いのは、同社がソニーの「Project Q」らしきハードウェアを「PlayStation 5のハンドヘルド版」、つまり単体で動くモバイルPS5と位置づけていた経緯があるからだ。Project QはあくまでPS5のリモートプレイ専用機であり(少なくとも現状では)ネイティブアプリが動く独立したモバイルゲーム機ではない。

もっとも、ソニーは歴代PlayStationのライフサイクル半ばでスリム版を投入してきたこともあり、そろそろPS5 Slimが登場してもおかしくはない。

それが着脱式ドライブ対応モデルを意味するなら、現在のように通常版とデジタル版の製造ラインが2つある不合理を解消できるだろう。すなわち本体の製造ラインを一本化して量産のスケールメリットを実現し、ドライブなしの本体のみを現在のデジタル版に、ドライブ同梱版を通常版に置き換えられるはずだ。

マイクロソフトの情報網が巷の噂レベルとは考えにくくもあるが、引き続き追加のリーク情報を待ちたいところだ。

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