iPhone Xのサポートが打ち切られるかどうかも注目

今夜WWDCで発表? アップル「iOS 17」新機能の噂まとめ

Image:Tada Images/Shutterstock.com

まもなくアップルは、6月6日午前2時から世界開発者会議WWDCの基調講演を開催し、主要OSの次期メジャーアップデートを発表する見通しだ。特に注目が集まっているのが、iPhone用の「iOS 17」だろう。

これまで数々の噂話が届けられてきたが、あと数時間後に発表が予想されている新機能について、ざっと総括しておこう。

「ヘイSiri」が「Siri」に短縮される

アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、「ヘイSiri」から「ヘイ」を削除するプロジェクトが公式発表される可能性を指摘している。

これは昨年11月、Gurman氏が「アップル社内でSiriのみのウェイクワードをテスト中」と述べていたことの続報である。当時は2023年~2024年にロールアウトする見通しだと付け加えられていたが、進展があったようだ。

アルファベットでわずか3文字の「Hey」を削るのは簡単なようで、実は技術的なチャレンジだという。なぜなら短いフレーズを、様々なアクセントで読まれても理解しなければならないため。2つの単語から1つに減ることで、システムが得られる手がかりが少なくなるというわけだ。

その場合、今でも誤動作が少なくないSiriが “暴発” する可能性が高まりそうだが、アップルも「誤トリガー」と呼んで自覚しているという。些細な変更のようで大事件かもしれない、ウェイクワードの短縮に注目したいところだ。

コントロールセンターの再設計

iOS 17には大きな改良はないものの、ユーザーから要望が多かった「あったら便利」機能に対応すると噂されてきた。その1つが、各種設定や音楽の再生・停止などがまとめられたコントロールセンターだ。

2017年のiOS 11とiPhone X以来、コントロールセンターはほとんど変更されていない。まだ具体的な変更点は不明だが、考えられる可能性の1つが柔軟にカスタマイズしやすくなることだ。現在はフラッシュライトやQRコードスキャンの順番を入れ替えたり、予め用意されたショートカットを追加ないし削除できる程度だが、より多くの機能を並べる、あるいは削除して見やすくできるのかもしれない。

日記アプリ

米Wall Street Journalは4月、iOS 17に「探す」など純正アプリのデータを統合した日記アプリが搭載される予定だと報じていた。これにはユーザーと他人の物理的な近さを検出し、職場の同僚と友人を区別する機能も含まれているという。

「探す」とウォレットアプリの刷新

Gurman氏は4月、これら両アプリが2023年内にアップデートされると述べていた。それ以上の詳細は不明だが、特にウォレットアプリは「一部ユーザーインターフェイスの調整と強化」が含まれているという。

ヘルスケアアプリの新機能

iOS 17のヘルスケアアプリでは、感情を追跡するツールや、近視などの視力状態を管理する機能が追加される見通しだという。初期版ではユーザー自らが気分を記録し、その日に関する様々な質問に答え、それらを時系列で比較できると伝えられていた。

そして将来的には、iPhoneがアルゴリズム(AI)によりユーザーの発話や入力した言葉、その他デバイスが収集したデータから気分を判断できることを目指しているという。また、「iPadOS 17」にもヘルスケアアプリが年内に導入される予定とも報じられていた。

サイドローディングとサードパーティ製アプリストア

iPhoneがサードパーティ製アプリストアとサイドロードキングに対応、つまり公式App Store以外でのアプリのダウンロードが可能になるとも報じられていた。これは、EUがアップルのようなプラットフォーム大手に適用予定のデジタル市場法に対応する動きのようだ。

もっとも、この新機能はWWDCでは言及されないかもしれない。なぜならアップルはEU限定として、米国やその他の地域では提供しないとみられているからだ。実際、アップルは制裁が科されたオランダでのみアプリ外決済を許可した前例がある

スマートディスプレイ機能

iPhone用にカレンダーや天気、通知などの情報をスマートディスプレイのように表示する新たなインターフェースが計画されているという。ただしiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Max、すなわち常時表示対応モデルに限定されたものだ。

このスマートディスプレイ機能はiPhoneを横向きにロックしたときに表示され、カレンダーや天気、通知などの情報をスマートディスプレイのように表示するという。本来であればiPadに向いた機能とも思われるが、iPadには画面を点灯しつつリフレッシュレートを1Hzに抑えて節電できる機能がないため、対象外とされたのかもしれない。

iOS 17の対応デバイス

どのモデルがサポート打ち切りになるかは、2つの相反する噂が届けられている。いずれも、過去に実績ある情報源から発信されており、どちらが正しいかは未知数である。

最初の噂では、iOS 17ではiPhone 8/8 PlusやiPhone Xがアップデートの対象外となると報じられていた。これらのモデルは修復不可能な脆弱性を抱えていることから、一定の説得力はある。

だが、その直後に別の情報筋から、iOS 16で対応した全モデルがiOS 17でもサポートされるとの説が飛び出した。この情報源は、アップルのiOS開発チームにいると主張されている。

これらの噂話はあと数時間で、本当かどうかが判明する。日本では6月6日の深夜2時からスタート、しかも今回は2時間にも及ぶとの予想もあるが、発表を楽しみに待ちたいところだ。

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