アップルはどこまで抵抗できるのか

iPhoneに他社製アプリストア強制?EUデジタル市場法が施行

Image:Koshiro K/Shutterstock.com

欧州連合(EU)の「デジタル市場法(DMA)」が、11月1日(現地時間)に発効した。これにより、アップルに対して、iPhoneやiPad向けサードパーティ製アプリストアやサイドローディングを許可するよう強制する可能性が浮上している。

大まかに言えばDMAとは、GoogleやAmazon、アップルなど巨大IT企業への締め付けを強化する法律だ。これまでは独占禁止法への違反があった後に対応していたが、この法律では禁止事項が明確に定められており、積極的に規制の網が広げられる見通しだ。

DMAは具体的には、ユーザー数や売上高、資本金など一定の基準を満たしたハイテク企業を「ゲートキーパー」と指定。これらゲートキーパーに対して、自社サービスやプラットフォームを、他社や開発者に開放するよう義務づけることになる。

まだゲートキーパー候補のリストは発表されていないが、アップルはEUにおける年間売上高の大きさやプラットフォームの規模、一部デジタル分野において「持続的な地位」を占めていると思われることから、候補入りはほぼ確実と見られている。

DMA適用により、アップルは欧州において、App StoreやiMessage、FaceTime、Siriに大きな変更を強いられる可能性がある。たとえばユーザーがサードパーティの(App Store以外の)アプリストアやサイドローディング(正規のアプリストア以外からのダウンロードやインストール)を可能にすること、開発者がサードパーティの決済システムを利用できること、アップルが収集したデータにアクセスを許可することなどである。

これまで同社のティム・クックCEOは、App Store外からのアプリ追加を認めないことがユーザーの利益になると何度も強調してきた。そればかりか公式文書を公開してサイドローディングが「攻撃への新たな投資の洪水に拍車をかける」とまで主張していたが、それらはDMAの施行を視野に入れていたと思われる。

また、EUがDMAについて暫定合意に達した今年3月には、「いくつかの条項が、我々のユーザーにとって不必要なプライバシーとセキュリティの脆弱性を生み出すことを懸念している」との声明も出していた経緯がある。

DMAは2023年5月2日に適用が開始される予定だ。それから2ヶ月以内、遅くとも7月3日までにゲートキーパー候補は、DMAが設定した基準を満たしている場合、自社のコアプラットフォームサービスを欧州委員会に通知しなければならない。そして最終的にゲートキーパーに分類された企業は、6ヶ月以内に規則を遵守するよう義務づけられる。

米国でも、アップルには同様のリスクが迫りつつある。2021年6月には米下院でハイテク大手の競争力を抑制する反トラスト法案が提出されており、もしも可決されれば同社のほかGoogleやAmazon、Metaなどに大きな影響が及ぶ見通しである。

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