ロータリーエンジン好きにおすすめの自転車

三角タイヤなのに滑らかに走れる自転車。そのからくりは?

Image:The Q(YouTube)

世の中には四角いタイヤでもガタガタせずに走れる自転車があるのは、先月学んだことだったが、実は三角タイヤでもガタガタせずに走る自転車は作れる。

自転車のタイヤを三角形にしようと思っても、普通の正三角形だと、それをそのまま転がすことはまず不可能だろう。三角形の中心点から辺までの距離と、中心点から角までの距離は異なるため、丸いタイヤをそのまま三角形にしてしまうと、仮に転がすことができたとしても車体がガタガタとが上下に揺れてしまい、乗れたものではないはずだ。

そこでDIY系YouTubeチャンネル「The Q」が注目したのが「ルーローの三角形」と呼ばれる形状だ。この三角形は3つの角を、直線ではなく円弧で結んだ格好をしている。自動車好きには、ロータリーエンジンのローターの形と言った方が伝わるかもしれない。

そして、このルーローの三角形には、どの方向から見ても幅が一定という特徴がある。そのため、路面と平行な平面の、しかも摺動可能な面を用意し、そこに自転車のフレームを乗せるようにすれば、スムーズに走行できる自転車が作れるというからくりだ。

Image:Aaron HY Chen / Shutterstock

The Qは、タイヤの上側に接し、自転車の荷重をタイヤに伝える摺動部品として、梯子のようなフレームに多数のローラーを備えたローラーコンベア状のパーツを自作し使用した。これは、そろばんの珠の部分が回転する筒になったような部品だ。もちろん、車軸の部分の上下動は避けられないのだが、それはサスペンション構造を加えることで解決した。

Image:The Q(YouTube)

その仕上がりは、動画を見れば一目瞭然で、三角のタイヤでありながら、なぜかスムーズに走行することができている。

ちなみに、この自転車のアイデアは、The Qのオリジナルというわけではない。最初に誰が作ったのかは不明だが、過去にはパナソニックのロボット掃除機「RULO(ルーロ)」のCMにも、今回とそっくりな自転車が登場している。また、このロボット掃除機の名前であるRULOも、ルーローの三角形をモチーフにした掃除機の形状から来ている。

Image:Panasonic

ロボット掃除機と言えば、その元祖であるiRobotの「Roomba(ルンバ)」は円形をだが、パナソニックはルーローの三角形をデザインに取り込むことで、部屋のすみまでブラシで汚れを掻き出すことができ、なおかつ転回の際には円形と同じように、どこにも引っ掛からないという特徴をロボット掃除機に与えている。

関連キーワード: