Switch有機ELモデルの後に液晶に逆戻り?
シャープが「新型ゲーム機」に液晶ディスプレイを供給するとの報道
任天堂のゲーム機Nintendo Switchも7年目を迎えており、後継モデルに関する噂が飛びかっている。Switchも数年にわたって競合他社を圧倒する売上を記録していたものの、ライフサイクルの終わりに差し掛かっていることは間違いなく、次期ハードウェアの開発を進めていない方が不自然だろう。
そんななか、日本のシャープが決算報告で「新しいゲーム機に液晶ディスプレイを供給する」と認めたと米Bloombergが報じている。同誌の望月崇記者によると、当初シャープは決算資料でディスプレイデバイス事業につき「VR向け及びゲーム向け新機種の立ち上げ」に言及していたとのこと。この資料を参照して「新しいゲーム機向けにディスプレイを入れるということでいいか」と社長に質問したところ、それが事実だと確認できという。既存のゲーム機向けに新型ディスプレイを供給するわけではないようだ。
さらに望月氏は、その後に決算資料の中から「ゲーム機向け新機種」の一節は削られたと述べ、修正前後の該当箇所を比較する画像をシェアしている。
シャープが速やかに削除したことで、逆に「新型ゲーム機」への憶測が煽られる結果となっている。同社と任天堂の関係はかなりの歴史があり、携帯ゲーム機の元祖的な存在のゲーム&ウオッチ(それ以前の光線銃の太陽電池もシャープが開発)まで遡る。またニンテンドーDSの液晶モジュールを独占供給していたこともあり、Switch後継モデルに関わっていたとしても不思議ではない。
Switch後継ハードといえば、強化型モデルの「Switch Pro」の噂話が何度となく囁かれたことがある。しかし現在では、Proモデルは実際に開発されていたものの中止され、中継ぎではない「真の後継機」にシフトしたとの観測が有力となっている。
すでにSwitch有機ELモデルも登場している今となっては、液晶ディスプレイに逆戻りするのか疑問は残る。もっとも液晶は液晶なりに進化を重ねており、有機物質を含まないため焼き付きや経年劣化も起こりにくく、後継モデルでも「また液晶から」やり直す可能性もあるかもしれない。
ディスプレイを備えた「新型ゲーム機」としては、PS5リモートプレイ専用の携帯ゲーム機「Q Lite」も噂されている。だが、ソニーが自社ゲーム機にシャープ製液晶パネルを採用したことはないはずであり、可能性としても考えにくいだろう。
任天堂がSwitchの販売台数が大きく減速すると予測しつつも、2023年度内(2024年4月まで)に「新しいハードウェアやアップグレードされたハードウェアは織り込んでいない」と述べたことは、まさにBloombergが報じていた。
Switch後継モデルがいつの日か出るとしても、今後数ヶ月以内ではないのは確実だろう。超人気シリーズの最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が発売されたばかりであり、しかも映画『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の快進撃が続くもとで、任天堂も「Nintendo Switch 2(仮)」を投入する時期を慎重に探っているのかもしれない。