画面下Face IDは「iPhone 17 Pro」から
2025年にiPhone全モデルが120Hzと常時表示を実現との予測
iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxでは、初めて常時表示(1Hz)~120Hzまでの可変リフレッシュレートが実現された。これはバックプレーン(ディスプレイの駆動素子を形成した基板)技術のLTPOを採用した成果である。
そのLTPOは今後数年はProモデル専用となり、標準モデルにやって来るのは2025年の「iPhone 17」世代になるとの予想が報じられている。
ディスプレイ間連サプライチェーン専門調査会社DSCCは、iPhoneのディスプレイ技術について、2027年までの予想レポートを公開している。2021年から数年にわたり、アップルがどのように画面を進化させていくかの見通しを概観したものだ。
上述のLTPOは幅広いリフレッシュレートのほか、省電力化にも大きな役割を果たしている。最大120Hzで表示しながらも、適宜レートを下げることで電力消費を抑えられるからだ。つまり1つの技術で高リフレッシュレートおよび「いつでも時間や通知が確認できる」常時表示、バッテリー持ちの改善を実現でき、自社製品に競争力を持たせるためにも非常に都合が良い。
そしてDSCCによると、2025年にはLTPOの生産能力が上昇してコストが低下していることから、iPhone 17全モデルに採用されるという。裏返せば、2023年~2024年は120Hz表示や常時表示などは、Proモデル独占になるとも言い換えられる。
さらにDSCCのCEOであるRoss Young氏は、今後のiPhone標準モデルおよびProモデルの画面について「ロードマップ」をツイートしている。まず前者については、2023年~2024年にはピル(画面上部の楕円状スペース)+LTPS(前世代のバックプレーン技術)、2025年にはピル+LTPOを採用とのこと。
そしてProモデルに関しては全てLTPO採用とした上で、2025年~2026年には画面下Face ID+ホール(自撮りカメラの視界を確保するパンチホール)、2027年には画面下Face ID+画面下カメラに移行するそうだ。
これらの見通しは、今月初めに示された見解と変わりがない。ただし、そちらは「センサーの問題」のため、本来は2024年のはずが2025年に延期されたと主張されていた。
iPhoneのディスプレイは、有機ELパネルや顔認証Face ID用のTrueDepthカメラ、自撮りカメラほか多くのパーツが関わっており、どれか1つでも開発が遅れることで全体に影響が出やすい。それでも、先進技術は常に高価なProモデルに優先的に搭載されるため、標準モデルの進化が遅れても、アップルにとってはあまり痛手にならないかもしれない。