純正の充電器が売れる?

iPhone 15のUSB-C、“MFi認証”以外は充電もデータ転送速度も制限の可能性

Image:Alexander_Evgenyevich/Shutterstock.com

今年秋の「iPhone 15」シリーズは、全モデルともLightning端子からUSB-Cポートに移行するとの噂が複数の情報源から伝えられてきた。そこで期待される新たな要素の1つが、USB-C経由での高速充電だろう。

iPhone 15シリーズではそれが実現するものの、アップルが認証したケーブル、いわゆるMFi(Made for iPhone)認証品を使うときに限られるとのアナリスト予測が報じられている。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、自らのブログでiPhone 15シリーズでのUSB-C採用と、それにより純正USB-C充電アダプタの出荷が増えるとの見通しを述べている。

Kuo氏によると、アップルはiPhone 15モデルでの高速充電を、MFi認証済み充電器に最適化するという。

現行のiPhone 14およびiPhone 14 Plusは最大20W、Proモデルでは最大27Wに対応しているが、これらは適切なケーブルやアダプタを使った場合に限られる。なお、MFi認証アクセサリーを使わなければ充電やデータ転送速度が制限されるのでは?との噂もあったが、アップル公式にそうした声明はない。

しかしKuo氏は、iPhone 15シリーズで高速充電は「MFi認証に最適化」、つまり充電アダプタのみならずケーブルもアップル認定製品を使う必要がある、と示唆している。たとえ充電アダプタが純正品を含むMFi認証品だとしても、ケーブルもMFi製品で揃えなければ、フルパワーで充電できない可能性があるようだ。

この新たな仕様に後押しされて、アップル純正の20W USB-C充電器の買い替え需要は強まるという。近年のiPhoneには充電アダプタが同梱されておらず、ユーザーは本体とは別に購入するほかない。そして過去の充電アダプタを使っていた人たちも、iPhone 15シリーズで高速充電したければ買い替える必要があり、純正品のなかでは20W USB-C充電器が最も手頃だから、というわけだ。

今月初め、信頼性の高いリーカーのShrimpApplePro氏は、アップルがUSB-CアクセサリにもMFi(Made for iPhone)認証を持ち込むことを伝えていた。これまでの純正Lightning等と同じく特製チップを搭載したUSB-C対応製品を、すでにFoxconnが量産していると述べていた次第だ。

以前Kuo氏は、iPhone 15全モデルがUSB-Cを搭載する一方で、ProモデルのみがUSB 3.2仕様の高速データ転送に対応すると予想していた。もしもMFiの制限がデータ転送にも及ぶとすれば、たとえばiPhoneで撮った写真をMacに吸い上げて画像処理しているユーザーは、MFi認証品を買うほかに選択肢がなくなりそうだ。

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