チップ価格などが上乗せ?

iPhone 15はUSB-C採用、ただし“非認証ケーブル”だと急速充電など非対応か

Image:Tada Images/Shutterstock.com

今年秋の「iPhone 15」シリーズ全モデルが、従来のLightningポートに替えてUSB-C端子を採用することは確実視されている。そんななか、アップルがUSB-Cにも独自のMade for iPhone(MFi)プログラムを用意し、MFi認証を受けていないケーブル等のデータ転送や充電速度を制限する可能性が浮上している。

アップルが2012年にLightningを導入して以来、自社製およびMFi認証済のアクセサリー類にはMFi認証を受けたことを確認するチップが搭載されている。非公認のサードパーティ製ケーブルにはこのチップがないため、iPhoneやiPadに接続すると「このアクセサリは使用できない可能性があります」といった警告が表示されることがある。

すでにUSB-Cに移行したiPadでは、そうしたMFi認証も確認チップもなかった。しかし2月初め、iPhone 15でのUSB-C採用にあたり、MFi認証チップが用意されるとの噂が中国方面から報じられていたことがある。

それに続き、有名リーカーShrimpApplePro氏が「MFi搭載のUSB-Cが実現する」「(アップルの製造パートナー)FoxconnはすでにEarPodsやケーブルなどのアクセサリーを量産している」と主張した次第だ。

同氏の的中率は100%とはいかないものの、iPhone 14 Proの画面からノッチ(切り欠き)がなくなりDynamic Island(楕円形のスペース。通知や簡易操作ボタンが表示)に置き換えられることや、iPhone 14の全モデルに6GB RAMが搭載されると正確に予想していた。

MFi認証プログラムは、アップルが手数料を取る代わりにアクセサリーの真正性や性能を保証し、偽造品や危険のある製品を摘発しやすくなるメリットもある。だが、すでに一流ブランドのUSB-Cケーブルなどを購入済みのユーザーにとっては、ただMFi認証を受けていないだけで急速充電や高速データ転送が使えない懸念が生じることになる。

そして続くツイートで、ShrimpApplePro氏はその懸念を裏付けている。MFi認証製品と標準的なUSB-C製品はどう違うのか?と問われ、「ケーブル。MFiはソフトウェア的にデータと充電速度を制限するだろう」と答えている格好だ。

かつて有名アナリストのMing-Chi Kuo氏は、iPhone 15標準モデルのUSB-Cデータ転送速度はLightningと同等のUSB 2.0相当に制限されたままで、Proモデルのみが高速転送/充電(少なくともUSB-C 3.2またはThunderbolt 3の仕様)と述べていた

ここにShrimpApplePro氏の情報も加わると、「ただしiPhone 15 Proモデルも、非MFiケーブルではUSB 2.0相当のまま」という事態もあり得ることになる。

iPhone 15 Proモデルはチタン製フレームや、物理ボタンに代わり感圧式ソリッドステートボタン採用などリッチな仕様が予想されている。よって本体価格もiPhone 14世代より値上がりしそうだが、もしもフルに性能を引き出したければ、そこにMFi認証済の高価なケーブル類も上乗せされるのかもしれない。

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