全体を見るとまた違った印象
新型ステルス爆撃機「B-21 Raider」の新たな画像が公開。今年後半に初飛行予定
米空軍とノースロップ・グラマンは2022年12月に、次世代ステルス爆撃機「B-21 Raider」の画像を1枚だけ公開し、まるでUFOのようなその姿で話題をさらった。
もちろん、その実際の形状は空飛ぶ円盤そのままというわけではなく、実際には従来のB-2 Spiritステルス爆撃機に近い全翼機スタイルを踏襲している。しかし、より盛り上がったコクピット周りの見せ方で大きなインパクトを生み出すことに成功していた。
そして今回、米空軍は新たに2枚のB-21の画像を公開した。これらの画像は最初の1枚と同じ時に撮影されたものだが、キャノピー部分のクローズアップと、機体上面を見下ろすようなアングルのもので、最初の1枚とはまた異なる姿を示している。
B-21は、B-2が施していた黒いコーティングよりも、高い効果と耐久性を持つとされる明るい灰色のコーティングが特徴的だ。このコーティングは、継ぎ目を極力カバーするように施され、さらにステルス性を高めている。
やや上から機体を捉えた画像では、尾翼の形状がB-2のようなギザギザなものではなく、より翼や胴体に一体化されているように見える。またエンジンへのエアインレットや、エンジンナセルの起伏も、B-2に比べて極力平たく作られているのがわかる。エンジンの後方には、ポートや衛星データリンク用のアンテナアレイなどが仕込まれているという。
米国政府いわく「前例がない」ほどの航続距離の長さもB-21の大きなウリだ。それは前線基地や空中給油などのサポートがなくとも、米国内から離陸して長距離の任務を遂行できる能力を持つとされ、対中抑止力強化のためオーストラリア政府は同国の軍に対し、安全な南部の基地から飛び立ち、遠方の標的を攻撃可能なB-21の導入を求めていると伝えられている。
米空軍はB-21について、長距離任務への対応のほかにも情報・監視・偵察(ISR)任務などにも対応可能だとしており、さらに高度なAIの採用によって無人での飛行も可能だとしている。
なお、B-21は少なくとも100機を生産・導入する計画で、1号機の就役は2027年に予定されている。
- Source: DVIDS
- via: Aerospace Manufacturing New Atlas