iPhoneで血中酸素飽和度の測定もできる?
アップルは指紋認証を諦めていない?「新型Touch ID」開発に進展ありの噂
アップルはフラグシップのiPhoneにTouch ID(指紋認証)を復活させるのか、それは毎年秋の発表イベントが近づくたびに、よく話題になるテーマだ。2017年のiPhone XでFace ID(顔認証)を採用して以来、Touch IDはホームボタンごと廃止されている上に、同社はFace IDの安全性を強調しており、一見すると指紋認証が復帰する余地はない印象もある。
が、アップルは依然として画面下Touch ID、つまりディスプレイ直下に指紋センサーを埋め込む形で開発を進めており、最近いくつかの点で進展があったとの噂が報じられている。
この噂話の発信源は、韓国ブログNaverのユーザー、yeux1122氏である。同氏はアップル未発表製品の情報につき実績があり、第10世代iPadがM2搭載iPad Proと同時に発売されることや、M2 Pro/M2 Max搭載MacBook Proの発売が延期になることも的中させていた。
新たな投稿によると、「現在の開発レベルでは、ディスプレイのパンチホール(画面上の穴)に動きのある2~3年後に画面下Touch IDが追加される見通し」とのこと。パンチホールの下りは、画面下Face IDのことを指していると思われる。そちらは2年後と予想されていることから、画面下Touch IDの実装はおよそ4~5年後で、「iPhone 19」や「iPhone 20」世代といったところだろう。
より興味深いのは、短波赤外線+光学システムなどを組み合わせた新規システムを採用したと報じられていることだ。従来のiPhoneに採用されたTouch IDは静電容量方式であり、最近クアルコムがAndroidメーカーに供給している指紋認証センサーは超音波式である。
これにより、指紋認証に加えてユーザーの静脈パターンまで把握でき、血中酸素飽和度や脈拍も測定可能とのこと。Apple Watchの健康管理路線の延長にあるといえそうだが、製品的に共食いとならないのか、ないし互いに補完し合うのかは興味深いところだ。
また新システムはユーザーが手袋をしているかどうか、指が濡れているか乾いているかを判断することで、状況に応じた素早い認証もできるという。まさに既存のTouch IDの弱点を補うものであり、時代遅れになりつつある指紋認証をアップデートする方向性だろう。
しかし、そうした高度な技術の採用はコストの上昇、ひいては端末価格の高騰を招きやすいはず。しかも開発に何年も時間がかかれば、ユーザーが恩恵を受けるのも先延ばしされてしまう。
前面のホームボタンを廃した全画面と指紋認証の両立は、すでに第6世代iPad miniや第10世代iPad等の側面電源ボタン内蔵Touch IDで実現している。それをアップルがなぜiPhoneに採用しないのかは不思議だが、今後の続報を待ちたいところだ。