独自のATプロトコルを採用
Twitter創業者が支援する新SNS「Bluesky」、iOS版がApp Store登場
ジャック・ドーシー氏が開発を支援するTwitterライクな分散型SNS「Bluesky」がベータテストを開始し、クライアントアプリがアップルのApp Storeでリリースされた。現在はプライベートベータということで、テスターになりたいユーザーは順番待ちリストに登録して招待を受ける必要がある。
Blueskyはアプリの外観やUIがTwitterと非常によく似ており、1回の投稿あたりの文字数は256文字以内で行う。機能的にはまだTwitterやMastodonほど充実はしていないが、他ユーザーを検索やフォローしたり、ホーム画面に他ユーザーの投稿などがタイムライン表示されたりと、基本的な機能は備えているようだ。
技術的には、一般的なクライアントサーバータイプではなく、Mastodonにも似た分散型SNSを構築するため「AT」と呼ばれる独自のプロトコルを採用。将来的にサーバーの追加設置が可能になるはずだ。
Blueskyはもともと、Twitterが資金を提供するサイドプロジェクトとして2019年にスタートした。ジャック・ドーシー氏は中央集権的なTwitterに変わる、よりオープンな選択肢としてBlueskyを捉えていたという。Blueskyは2021年にTwitterからスピンオフして独立の企業になった。ドーシー氏は、ソーシャルメディアは企業や政府による規制を極力すべきではないと考えており、SNS上のコンテンツを削除する権限はそれを投稿した者だけであるべきだ、との考えを述べている。また、ドナルド・トランプ氏が議会への暴徒の侵入を煽りアカウントを停止された際も、Twitterの判断は「正しい」としつつ、「自由で開かれたグローバルなインターネット」を危うくする前例になることを懸念していた。
イーロン・マスク氏が買収して以降、Twitterではさまざまな規制が撤廃されたり、新たに設けられたりしている。しかし、大量の人員削減のせいか、ここ最近はたびたびサービスに不具合が起きてしまっている。ジャック・ドーシー氏が支援しているとなれば、そろそろTwitterも潮時だと思い始めたユーザーが、Blueskyを試してみたいと考えてもおかしくはない。
現在はまだ、アプリがいつテスト段階をクリアして正式にリリースされるか、ブラウザー版やAndroid向けアプリといったバリエーションも用意されるのか、Blueskyはまだ何も明らかにしていない。Twitterの代替となるSNSとしてはMastodonが本命視されているが、Blueskyの動向もチェックしておきたいところだ。