なぜかMac Proについては直接の言及を避ける?
アップル幹部、Apple Watchのバッテリー持ちの悪さに「様々な方法で対応したい」
Apple WatchはヘルストラッカーやECG(心電図)アプリ、転倒検出に連動した緊急通報など、健康の管理や見守り機能が人気を集めている。それだけに、以前より改善されたとはいえ、Ultra以外では2日持たないバッテリー持続時間に不満の声も多い。
そんななか、アップル幹部がこの問題を認識していると述べつつ、噂のAppleシリコン(独自開発プロセッサー)搭載Macに間接的に言及している。
同社のワールドワイドプロダクトマーケティング担当副社長Bob Borchers氏は、インドメディアIndia Todayの独占インタビューにて「さらなる(消費電力の)効率化を求められている製品」の質問に答えている。もちろん、Apple Watchのことだ。
Appleシリコン搭載MacBookは処理性能もさることながら、「バッテリーが長持ちすること」が称賛を集めている。初期のM1 MacBook Airも長い駆動時間が驚かれていたが、最新のM2 Max搭載16インチMacBook Pro(2023)は、画面の明るさ150ニトでウェブサーフィンを続ける持久テストで19時間近くに達し、バッテリー最高峰のWindowsノートPCに差を付けていたこともある。
それがなぜ、Apple Watchでできないのか?というわけだ。スマートウォッチ業界でも、節電モードであれば1ヶ月以上は持つ製品もあるGarminが「我々はバッテリー持ちを “数ヶ月” で測っており “時間” ではない」とツイートして、暗にApple Watchを皮肉っていた。
さて取材に対してBorchers氏は、Apple Watchのバッテリー問題は認識しており、アップルは様々な方法でそれに対応したいと回答。その1つが高速充電であり、「45~45分でバッテリー容量の80%を充電できる。こうした傾向は、我々の顧客にも見られるようになってきた」と述べている。
さらに「心臓(の異常)警告や転倒検知などリアルタイムの健康状態や運動トラッキングといった機能と、バッテリー駆動時間のバランスをどのように実現するか」も課題とのこと。要は常時、多くのセンサー類を稼働しているため、それほど多機能ではない他社製品よりもバッテリーを消費しがちだと示唆しているようだ。
もう1つは(こちらが取材の本題だが)AppleシリコンMac Proがいつ登場するのか、ということ。Borchers氏は「私たちは、Appleシリコンに完全に移行するという明確な目標を持っている」「Appleシリコンは、MacBook AirからMac Studioに至るまで、あらゆる体験をパワーアップし、変えることができると強く信じている。当初から製品ライン全体をAppleシリコンに移行させる目標を明確に掲げてきた。それこそが、我々が実現するつもりのものだ」と回答している。
既存の(生産終了となっていない)Macのうち、Appleシリコンに移行していないのはMac Proのみだ。そのため「製品ライン全体を移行」といえば、必然的にMac Proが浮かび上がる。だが、なぜかBorchers氏はMac Proにはひと言も触れないという、奇妙な趣となっている。
すでにAppleシリコンMac Proについては様々な有力情報が届けられており、具体的な製品像が絞り込まれてきている。たとえばアップルの内情に詳しいMark Gurman氏は、最上位プロセッサー「M2 Extreme」チップ開発が中止されたこと、ユーザーがRAM増設できないこと、外付けGPUに対応しない可能性があることを報じてきた。これらが本当であれば、現行Mac Proの「拡張性が高く、最もパワフル(だった)」イメージとはかけ離れてしまうだろう。
先日、iOS 16.4ベータから交換可能な「コンピュートモジュール」を備えたデバイスの手がかりが発見されていた。それが次期Mac Proを指すのであれば、RAMの増設や外付けGPUへの希望は残されているのかもしれない。
- Source: India Today
- via: 9to5Mac