日本では他のSNSも同様に禁止

日本でも政府端末に「TikTok」インストール禁止。各国で規制の動きが強まる

image:DANIEL CONSTANTE/shutterstock.com

松野官房長官は2月27日午前の記者会見で、政府職員が利用する公用端末のうち、機密情報を扱う機器を対象にTikTokの利用を禁止していると明らかにした。

これはEUが先週、欧州委員会の職員が利用する端末でのTikTokの利用を禁止したことを受け、日本での対応を質問されたことに答えたもの。なお、日本ではTikTokだけではなく、他のSNSも同様に禁止されているとのことだ。

若者を中心に日本でも人気が高いTikTokだが、運営会社のByteDancが中国企業ということもあり、中国政府からの要請があれば、個人情報を含むユーザーデータの提出を断れないという懸念が繰り返し伝えられている。このため、TikTok側もデータセンターを米国内にあるOracleのクラウドサーバーに移行するなどの対策を行っているが、中国スタッフが欧米のユーザーデータに繰り返しアクセスしていたことが判明しているほか、アプリ内ブラウザにキーロガー的なことが可能になる機能があるなどの指摘を受けていた。

こうしたこともあり、欧米を中心に政府関係者の利用を規制する動きが進んでおり、政府関係者だけではなく、米国内での利用を全面的に禁止すべきとの意見も出ている。また、2月初めには米国のマイケル・ベネット上院議員がAppleとGoogleに対してアプリストアからの削除を要請。連邦通信委員会(FCC)のコミッショナー、ブレンダン・カー氏も2022年6月に同様の要請を行っていた

なお、カナダ政府も公用端末へのTikTokインストールを禁止するとこのことだ。2月27日(現地時間)にカナダのモナ・フォーティエ財務委員長が発表した声明によると、2月28日から対象デバイスでの削除が行われ、以降、ダウンロードもブロックされる。

「TikTokを検討した結果、プライバシーとセキュリティに対して許容できないレベルのリスクをもたらすと判断した」としているが、いまのところ政府の情報が漏洩したという証拠はないとのこと。

最後に、「広く一般の人々にとって、ソーシャルメディアのアプリケーションやプラットフォームを使用するかどうかは、個人の選択です。しかし、通信安全保障機構のカナダ・サイバーセキュリティセンター(Cyber Centre)のガイダンスでは、カナダ人がリスクを理解し、十分な情報を得た上で、使用するツールを決定するよう強く推奨しています」と締めくくっている。

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