米国以外のデータの扱いは不明

TikTokのアルゴリズム、中国の影響下にないかOracleが精査開始

Image:DANIEL CONSTANTE/Shutterstock.com

Oracleは、TikTokのアルゴリズムとコンテンツモデレーションが中国当局の影響を受けていないことを確認するための精査を開始した。

TikTokの広報担当は米ウェブメディアのAxiosに対し、「結果が期待どおりであり、モデルがいかなる方法でも操作されていないことを確認する」とコメントし、作業が開始されたことを認めている。

InstagramやFacebookがTikTok化していると言われるなど、若者を中心に高い影響力を持つTikTokだが、親会社は中国大手のByteDanceであり、以前から中国政府の影響や、個人データが提供されているなどの指摘が相次いでいる。

また米国政府からの圧力などもあり、TikTokは米国のすべてのユーザーのデータを、それまで管理していた自社の米国およびシンガポールのデータセンターから、米国内にあるOracleのクラウドサーバーに移行すると発表。すでに米国ユーザーのトラフィックは100% Oracle Cloud Infrastructureにルーティングされている

しかし6月には、ByteDanceのエンジニアがTikTokの米国ユーザーに関する非公開データに繰り返しアクセスしていたことがBuzzFeed Newsにより報じられ、米連邦通信委員会(FCC)は、GoogleとAppleに対してTikTokアプリの削除を要請していた。

また同社のデータアクセスポリシーに疑問を呈した米上院議員グループが質問状を送り、それに対する回答として、TikTokのCEOであるShou Zi Chew氏は、アルゴリズムを監督する外部企業とのパートナーシップを確立することを表明していた。今回のOracleによる監査も、TikTokが「Project Texas」と呼ぶデータ保護に関する取り組みの一環だ。

なおTikTokは、トランプ政権時に国家安全保障上の理由から米国内で禁止される可能性があったが、2020年にOracleとパートナーシップを結び、これを回避していた。

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