投入を急ぎすぎて崩壊していった巨神兵的な

GoogleのAIチャットボット「Bard」、“社内で批判”との報道

Image:gguy/Shutterstock.com

Googleは先週初め、OpenAIのチャットボットChatGPTに対抗して「Bard」を発表した。しかしサンプル回答の中に誤答が混じっていたことが大きな注目を集めた直後、同社の親会社Alphabetの株価が一時は約8%も急落する事態となっていた

これを受けてGoogle従業員らは、Bardの発表は「急ぎすぎた」「無様だった」として、同社のスンダー・ピチャイCEOを批判しているとの噂が報じられている。

米CNBCによると、Googleの社内フォーラム「Memegen」ではピチャイCEOに対する批判が巻き起こっているという。このMemegenとは内輪ネタ(ミーム)を共有する投稿サイトだが、従業員が会社や上司に異議を唱える場ともなっている。

ある投稿では「親愛なるスンダー、Bardの発売とレイオフ(先月、1万2000人の解雇を発表したことを指す)は拙速で、無様で、近視眼的だった」「長期的な展望を取ることに戻ってほしい」と求めているという。

また「Bardをあわてて市場に出したことは、わが社に対する市場の恐怖を立証した」や「1万2000人を解雇すると株価が3%上昇し、1回急いでAIプレゼンテーションすると8%下落する」というミームも高評価を集めているとのこと。いずれも、Alphabet株が急落したことに反応しているようだ。

昨年末の全員参加の会議では、Google従業員らもChatGPTブームのなか自社の競争力につき懸念を表明し、すでにLaMDA(対話アプリケーション用言語モデル。Bardの中核技術)があったのに機会損失ではないか? との質問も出たという。それに対して幹部らは、AIチャット技術に早く動きすぎると会社の評判が損なわれる恐れがあると述べたそうだが、まさにその通りの結果となった。

どれほどBardの発表が急だったかといえば、Googleの検索責任者であるプラバカール・ラガヴァン氏がオンラインイベントでBardを披露しながらも、技術的な詳細には触れず、短いスライドの提示に留まった事実に現れているようだ。一部のGoogle社員はBardの発表を全く知らなかったほか、あるプレゼンターはデモに必要な機器をイベントに忘れてしまったという。

Bard発表の翌日、マイクロソフトはChatGPTを開発するOpenAIの技術を統合したBing検索エンジンとウェブブラウザーEdgeのアップグレードを発表。AIを搭載したBingの新たなインターフェースやEdgeの追加機能2つを紹介した上に、「AIは間違いを起こす可能性がある」「Bingは見つかった情報を、誤った状態で伝えてしまう場合がある」ことも認める余裕を見せていた。

これまで検索エンジン市場で後れをとってきたBingの逆襲がついに始まり、Google従業員らの懸念は現実となるのかもしれない。

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