マスク氏の目標達成には50倍以上にする必要
有料の「Twitter Blue」加入者、米国ユーザーの0.2%未満との報道
Twitterを買収した実業家のイーロン・マスク氏は、昨年末に有料プラン「Blue」をリニューアルし、収益の柱とする姿勢を見せていた。だが、1月中旬時点で米国でのBlueを含めた課金者数はわずか18万人で、月間アクティブユーザーの約0.2%未満に過ぎないとの噂が報じられている。
独自の情報源を持つThe Informationは、Twitterの社内資料を入手したという。さらにTwitterの課金ユーザーの62%が米国に在住しているデータも明らかになったとのこと。つまりTwitterの課金者数は、全世界で約29万人という計算になる。
なお、Twitterへの課金方法はBlueだけではない。他にも熱心なフォロワーがいるユーザーが特典とひき換えに収益を得られる「スーパーフォロー」という仕組みもあり、これはBlueとは別ものだ。すなわちBlue加入者の比率は、上記の数字より低いと推測される。
Twitter Blueの料金は、日本の場合は公式サイト経由であれば月額980円、App Store/Google Playストアのアプリ内課金であれば1,380円だ。もっとも後者の場合はアップルやGoogleから手数料を差し引かれるため、Twitterが手にする額は前者と同じ程度だろう。
米国の月額8ドルをベースとすれば、全世界でのBlueからの収入は年間2780万ドル(執筆時点のレートで約36億円)にすぎない。年間払いプラン(84ドル)の割引もあるため、それさえ割り込む可能性がある。
とはいえ、Twitterが12月中旬にBlueをリニューアルしてから、まだ2ヶ月にも満たない。11月に無条件で認証バッジを与える方針を打ち出した時点での新規申込みは14万を超えたとの報道もあり、今後は右肩上がりにユーザー数が増えていく展開もあり得るはずだ。
また今回の報道によれば、マスク氏はTwitter社内で、収益の半分をサブスクリプションから得たい、と述べたという。Twitterが背負う負債の利子だけで年間10億ドルを支払う必要があるため、2023年内には30億ドルの収入を得ることを目指しているとのこと。その半分をBlueから稼ぐには、現在の50倍以上の加入者を集めなければならないだろう。
そのためか、TwitterはBlueでの収益増に繋がるいくつかの手段を模索中とみられる。1つは、広告が全く表示されない高額プランである。先日、広告を見なくても済むサードパーティ製クライアントを禁止したのも、その布石かもしれない。
もう1つは、企業向けに金色の認証バッジを維持するために月額1,000ドル、提携している各アカウントに月額50ドルの課金を打診しているというものだ。そもそも現在Twitterが抱える莫大な負債は、マスク氏が買収のため借り入れなければ大半は存在しなかったはずだが、全世界のSNSコミュニティを守るためにも健闘を祈りたいところだ。
- Source: The Information
- via: Engadget