iPhone SE 3とiPhone 14の性能差はほぼナシ

Appleシリコンの性能ランキング公開。首位は今もM1 Ultra、M2 ProはM1 Max超えに

Image:Apple

今月発表されたM2 Pro/M2 Maxチップは前世代より性能が向上しているが、結果として「M2 ProがM1 Maxを上回る」といった逆転現象が起きている。一部ではMacの価格帯による序列が混乱することになるのでは、との懸念もあるほどだ。

そこで、現在販売中のAppleシリコン(独自開発チップ)搭載デバイスをほぼ網羅したベンチマーク結果のランキングが公開されている。

アップル公式の説明では、M2 Pro/Maxともに、数字の上ではM1 Pro/Maxと同じ5nmプロセスで製造されている。もっとも「第2世代」技術であり、M2 ProはM1 Proよりも20%多い400億個ものトランジスタで構成あれ、またM2 Maxは670億個に達するという。

M2 ProはM1 Proよりも最大40%、M2 MaxはM1 Maxよりも最大30%高速になっているとのこと。その発表に偽りがないことは流出したベンチマーク結果でも裏付けられており、ひいては「M2 ProはM1 Maxを上回る」可能性も浮上していた次第だ。

では、現在販売中のAppleシリコン搭載デバイスにつき、性能に基づく序列はどうなっているのか? アップル関連情報の老舗メディアMacWorldが、定番ベンチマークアプリ「Geekbench 5」により検証した結果を掲載している。MacのみならずiPhoneやiPadも対象となっており、iPhoneの世代やモデルによる違い、iPad AirとProとの格差も明らかとされている。

その結果からわかるのは、今なおM1 Ultraチップ、すなわちMac Studioがマルチコア性能や総合力では最上位にあるということ。M2 Maxよりも単純にコア数が10~30以上も多く、その差はプロセス技術の進化をもってしても埋めがたいようだ。その一方、シングルコア性能はM2世代がM1世代を上回る、順当なものとなっている。

おおむね、「チップ/本体価格どおりの並び順」であり想定通りのグラフではあるが、それでも興味深い点はいくつかある。たとえばM2 iPad ProがM2 MacBookとほぼ同性能であることや、iPhone SE(第3世代)とiPhone 14に価格ほどの差がないなど、アップルがあえて言及しない事実が浮かび上がっている。

ざっとした印象としては、アップルは価格帯による序列を乱さないよう、慎重に製品ラインナップと性能を調整している感がある。M1 Ultra搭載Mac Studioをお持ちの方は、もう少し待ってM2 Pro Mac miniを買えば良かったのでは…との悩みを抱かずに済みそうだ。

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