iPhone 12以来、数年ぶりにProとPro Maxを差別化?
「iPhone 16」ではPro/Pro Maxともペリスコープ望遠レンズ搭載か
今年秋に発売が予想される「iPhone 15」シリーズのうち、最上位モデルの「iPhone 15 Pro Max」のみにペリスコープ望遠レンズが搭載されるとの見通しは、ほぼ定説となっている。
それに続き翌年(2024年)には、「iPhone 16 Pro」および「iPhone 16 Pro Max」の両Proモデルともに同機能が採用されるとのサプライチェーン情報が伝えられている。
韓国の電子業界情報誌The Elecによると、iPhone 15 Pro Maxには専用機能として「Folded Zoom」(折りたたみズーム)を採用するとのこと。これは「プリズムで光を曲げることで光を透過させる望遠カメラモジュール」と説明され、つまりペリスコープ望遠レンズを指しているようだ。
ペリスコープ方式では、レンズやミラーにより光の向きを変え、本体に対して横方向にレンズを置くことが可能となる。これにより、従来のレンズとイメージセンサーを縦に積み重ねる方式よりも本体の厚みやレンズの出っ張りを抑えつつ、高倍率の光学ズームを実現しやすい。
アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、iPhoneへのペリスコープレンズ採用を早くから主張していた。当初は2022年モデル、すなわちiPhone 14世代だと予想されたが、現在ではiPhone 15 Pro Maxで初採用になると軌道修正。またアナリストのJeff Pu氏も、同様の見解である。
今回のThe Elec報道のうち目新しいのは、ペリスコープ望遠レンズがiPhone 16シリーズの2機種(ProとPro Max)に採用される予定だと述べている点だ。この動きはちょうど、iPhone 12世代ではPro Maxのみに採用されたセンサーシフト式手ぶれ補正機能が、iPhone 13世代では全モデルに採用された前例を思わせる。
もしも今回の主張が正しければ、標準サイズのProモデルと大型のPro Maxモデルの差別化が図られるのは、まさにiPhone 12世代から数年ぶりとなる。こうした価格帯ごとの線引き路線は、上述のKuo氏も予想していることだ。それは成熟した市場でより多くの売上と利益を生み出すための「正しい製品セグメンテーションによるベストな方法」だという。
iPhone 15 Pro Maxは、製品名もApple Watch Ultraのように「iPhone 15 Ultra」と改名される可能性も指摘されている。そうして高価なハイエンドモデルの魅力を増す一方で、iPhone 15標準モデルもDynamic IslandやUSB-C搭載の噂もあり、全機種とも人気が盛り上がるのかもしれない。