3年掛けて独自モデムへ移行?

アップル、24年末に独自モデム投入か。Wi-Fi/Bluetooth統合チップも開発中との有力情報

Image:sdecoret/Shutterstock.com

アップルが自社開発モデムチップに取り組んでいるとの噂は、何度か報じられてきた。そして新たに、同社がWi-FiとBluetoothを統合したチップも開発中であり、2025年には米Broadcom製ワイヤレスコンポーネントの使用を止める予定との観測が伝えられている。

米Bloomberg報道によると、アップルは2024年末~2025年初頭までに初の自社開発モデムチップ導入を目指しており、クアルコム製チップと置き換える予定とのこと。アップルのモデム開発は遅れが出ている一方で、急がずにクアルコムへの依存を解消する展開を想定しているようだ。まず1つの製品に自社製モデムを搭載し、約3年掛けて完全に移行していくという。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏も、同社が独自の5Gモデム開発に苦戦しており、2023年の「iPhone 15」には間に合わないと述べていたことがある。

また最近もKuo氏は、少なくとも2024年内に「iPhone SE4」発売予定はなくなったとして、それに伴い「iPhone 16」(2025年モデル)に自社開発モデムが搭載される可能性も消えたと分析していた。なぜなら、iPhone SE4が独自モデムチップの(実世界での)テスト機に位置づけられ、その結果を受けてiPhone 16に採用する見通しだったため、との趣旨である。

つまり、2024年には独自モデムチップを投入するめどは立っているものの、販売台数が巨大であるフラグシップ、iPhoneへの搭載にはリスクが高すぎる、という判断かもしれない。裏返せば、当初はiPhoneより販売台数の少ないハードウェア製品に使われる可能性はありそうだ。

その一方でBloombergは、アップルが2025年には米Broadcom製ワイヤレスコンポーネントの使用も止める計画だという。それに代わるWi-FiとBluetoothのチップを開発中とのことだ。確かに同社は、2020年にBroadcomと「高性能ワイヤレスコンポーネントおよびモジュール」に関する契約を結んでおり、それは2023年半ばに期限切れとなる予定である。

さらにアップルはセルラーモデム、Wi-Fi、Bluetoothの機能を1つの部品にまとめたチップの開発も進めているとのことだ。

アップルはiPhone用SoCのAシリーズチップとMac用のMシリーズチップ、AirPods用のHシリーズチップのほか、T2セキュリティチップ等も自社開発している。その意味では、モデムやWi-Fiなどワイヤレス関連チップを内製するのも、これまでの流れに沿った動きだ。

特にモデムチップに関しては、アップルは2017年にクアルコムの特許使用料の請求が過大だとして、同社と法廷闘争に突入。しかし、(おそらくiPhoneの5G対応を急ぐために)2019年には和解し、複数年にわたりチップ供給を受ける契約を結んでいた。それだけに、内製化を急ぐ動機も大きいはずだ。

しかし、自社設計モデムチップ単体の導入さえ数年先とみられているなか、ワイヤレス関連も含めた複合チップの実用化は少し未来の話になりそうだ。

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