次期Mac Studioとの棲み分けはどうなる?

次期Mac ProはユーザーのRAM増設不可?サイズも現行同様とのウワサ

Image:Hadrian/Shutterstock.com

次期Appleシリコン搭載Mac Proについては、上位構成となる「M2 Extreme」版が開発中止になったとの噂が報じられていた。それに続き、「M2 Ultra」版は発売予定であるものの、ユーザーによるRAMの増設ができず、2019年モデルと同じデザインになるとの有力情報が届けられている。

アップルの内部事情に精通するBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で、次期Mac Proのゆくえに言及している。先日Gurman氏は、M2 Ultra版とM2Extreme版の2種類が開発されていたが、そのうち後者がキャンセルになったと述べたばかりだ。

ここでいうM2 Ultraとは、次期14/16インチMacBook Proへの搭載が噂される「M2 Max」2つを、インターコネクト(ダイ同士をつなぐ高速通信技術)により結合したと予想されるもの。M2 Extremeは、そのM2 Ultraをニコイチにしたものと推測される。

このM2 Extremeは最大48のCPUコア、最大152のGPUコアを備える予定だったものの、製造の複雑さと高コスト、さらにMac Pro自体が最小構成でも1万ドル以上という「極めてニッチな製品」となるため見送られた、とのことだった。

かたやM2 Ultra搭載Mac Proにつき、Gurman氏は「最大24コアのCPU、最大76コアのGPU、少なくとも192GBのRAMを搭載」とした上で、現行のインテル版Mac Proと同じくRAMやストレージを簡単に追加できると述べていた経緯がある。

が、最新のニュースレターでGurman氏は「ユーザーがアップグレード可能なRAMが欠落している」と軌道修正。なぜならM2 UltraのマザーボードにはRAMが直接結合しているからだという。それでもSSDストレージ用スロットは2つあり、グラフィックやメディア、ネットワークカード用スロットも内蔵しているそうだ。

Appleシリコンは初代M1以来、チップ内にRAMとして「ユニファイドメモリ」が内蔵されている。CPUやGPU、NeuralEngine等から直接アクセスでき、外部にRAMを置くよりも高速な動作を実現する仕組みではあるが、反面ユーザーによるRAMの増設・交換などは不可能となっている。

この構造を維持するかぎり、そもそもユーザー自らがRAMをアップグレードできる可能性は低かったはず。しかしGurman氏ほどの事情通だけに、何らかの情報をつかんでいたものの、開発チームが技術的な困難などから断念したという流れかもしれない。

もう1つの重要情報は、新型Mac Proのデザインが2019年モデルと同じになるということだ。現行のインテル版Mac Proはそびえ立つ巨体で知られているが、次期Mac Proはその「半分サイズになる」とは、Gurman氏が長らく主張してきたことである。

が、その次期Mac Proとは「M1 Maxを2個または4個搭載した」との但し書きも付けられていた。Gurman氏はM1チップ版Mac Proは発売を見送られたと述べていたこともあり、半分サイズのケースも同時にキャンセルになった可能性もありそうだ。

しかし、M2 Ultraは次期Mac Studioにも搭載が予想されているチップである。Gurman氏は「マシンの拡張性以上に、なぜ多くのユーザーがより安価で小さいMac Studioではなくそれ(新Mac Pro)を購入するかが不明になっている」とコメントしているが、今後の続報を待ちたいところだ。

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