プロにとって1万ドルは誤差の範囲では

M2 Extreme搭載のMac Proは開発中止か。価格が高くなりすぎるため

Image:Hadrian/Shutterstock.com

次期Mac Proは「M2 Ultra」と「M2 Extreme」チップを搭載したモデルが準備中と噂されてきた。そのうち上位構成となるM2 Extreme版は、開発が中止されたとの有力情報が伝えられている。

M2 Ultraは、次期14/16インチMacBook Proに搭載が噂される「M2 Max」2つをインターコネクト(SoCダイ同士を広帯域かつ低遅延で繋ぐ)した構成になると予想される。M2 Extremeは、さらにその倍の構成である。

さてアップルの内部事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者によると、M2 Ultraチップ採用のMac Proは、最大24コアのCPU、最大76コアのGPU、少なくとも192GBのRAMを搭載したものが発売されるという。現行のインテル版Mac Proと同じく、RAMやストレージなども簡単に追加できる拡張性を引き継ぐ見込みとのことだ。

そしてM2 Extremeチップ搭載の上位モデルは、CPUは最大48コア、GPUは最大152コアへと倍増する予定だったが、「4つのM2 Maxを融合させたプロセッサー」を製造する複雑さと高コストから廃止されたそうだ。

現在のアップルの価格体系のもとでは、M2 Extreme版Mac Proは、最小構成でも1万ドル以上になるとのこと。そのため、開発コストやエンジニアリングリソース、生産帯域を費やすには値しない「極めてニッチな製品」となるようだ。

現行のインテル版Mac Proは2019年末に発売され、米国では5,999ドル(当時の為替レートでは約65万円)からとしているが、この価格でさえ当時は驚かれた。もっとも、プロセッサーやRAM、ストレージも最大構成にすると約4万5000ドルになっていたこともあり、1万ドル程度であれば誤差の範囲内かもしれない。

またGurman氏は言及していないが、「Appleシリコン搭載Macで外付けGPUが使えない」という問題のゆくえは、プロユーザーの関心が高いはず。このために外付けGPU対応のインテル版Macを使い続けているクリエイティブの現場も少なくないが、その続報も待ちたいところだ。

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