廉価モデルまでFace IDに移行する噂もあり

最上位iPhoneにTouch IDは当分戻らない?社内ではテストしているとの噂

Image:ymgerman/Shutterstock.com

次世代のフラッグシップiPhoneが噂に上るたび、注目が集まるのが「今年こそTouch IDの指紋認証が復活するのか?」という点だ。2017年のiPhone Xで顔認証のFace IDが初採用されてから、Touch IDはホームボタンごと廃止されており、それは最新のiPhone 14シリーズでも変わっていない。

この件に関して、アップルではTouch IDをフラッグシップiPhoneに戻すテストをしているものの、すぐに製品版で実現する可能性は低いとの噂話が報じられている。

これはBloombergの名物記者Mark Gurman氏が、ニュースレター「Power On」最新号で述べていることだ。それによれば、アップル社内では画面内Touch ID、つまり画面直下(裏側)に指紋センサーを埋め込んだり、最近のiPad AirやiPad miniと同じく電源ボタンにTouch IDを統合する2つをテストしたとのことだ。

そうして社内で議論やテストは行われたものの、現時点ではフラッグシップiPhoneにFace IDだけ搭載される方針は変わらず、Touch IDは「少なくとも予見可能な将来」では戻ってくる見込みはないと述べられている。

この発言は、裏返せばiPhone SEなどの廉価モデルではTouch IDが電源ボタンに統合される可能性がある、ということだろう。ちょうどiPadのProモデルではFace ID、AirやminiではTouch ID入り電源ボタン、と棲み分けされているのに似ているが、Gurman氏は「それが実際に準備中であるという話は聞いていない」とコメントしている。

アップルがTouch IDを搭載した試作機をテストしているとの噂は、複数の情報源から伝えられてきたことだ。

たとえばThe Wall Street Journalは、画面下Touch ID用に光学センサーを採用しており、超音波式よりも「信頼性が高いかもしれない」と報じていた。もっとも、一般的に指紋センサーとしては光学式は超音波式より旧式で信頼性に劣るため(Pixel 6の指紋認証が遅いのもそのためと推測されている)、話半分に聞いた方が良い感はある。

その一方で、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、少なくとも2023~2024年の(フラッグシップ)iPhoneではTouch IDの復活は実現しないかもしれないとツイートしていた。「iPhoneのマスクを着けたままFace IDはすでに優れた生体認証ソリューションだ」とのことで、今さらTouch IDを復活させる必要は薄いとほのめかしていたのである。

かたや廉価モデルについては、有名YouTuberが第4世代iPhone SEを「単なるiPhone XR」、つまりFace ID採用だと示唆していたことがある。アップルもFace IDが先進テクノロジーかつセキュアだと強調しており、「先進」ではないTouch IDに逆戻りするつもりはないのかもしれない。

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