いよいよアップル対MetaのVRヘッドセット戦争が始まる?
アップルのAR/VRヘッドセット、次世代機はより高精細に?没入感アップが狙いか
アップルは、同社初のAR/VRヘッドセットを2023年1月に発表し、第2四半期に発売することが有力視されている。だが、本製品はあくまで「第1世代」にすぎず、今後もiPhoneのように市場に定着させるべく、すでに第2世代製品を準備中との噂もあいついでいる。
そうした未来のAR/VRヘッドセットについて、より没入感を高めるため、現在ディスプレイの鮮明度と品質の向上に取り組んでいるとのサプライチェーン情報が伝えられている。
韓国の電子業界情報誌The Elecによると、アップルはサムスンディスプレイとLGディスプレイの両社に対して、画面パネルの画素数を従来の2800ppiから3500ppiに引き上げるよう要請しているとのことだ。
ただし、サムスンとLG製のディスプレイは、第1世代AR/VR製品には採用されないという。第1世代製品にはソニーがディスプレイを供給するとの噂は、2年ほど前から報じられていたが、The Elecもそれを再確認している。
アップル製ヘッドセットに採用される画面パネルは、バックプレーンとしてガラス基板の代わりにシリコンウェハーを使った「OLEDoS (OLED on CMOS)」と見られている。通常の有機EL(OLED)はガラス基板を使っているが、小型化プロセスには限界がある。そのため、VRデバイス向けマイクロディスプレイとしては、高解像度と小型化を両立できるOLEDoSに注目が集まりつつあるが、これまで歩留まりと量産性に難があるといわれていた。
アップルはディスプレイの解像度を精細にして、「消費者が感じる没入感を高める」ことを狙っているそうだ。またThe Elecが、まもなく高級VRヘッドセットを発表予定のMetaも、「当四半期中にサムスンに技術開発を要請していた」と付け加えているのも興味深い。
アップル初のAR/VRヘッドセットは、「Reality Pro」と呼ばれると噂されており、2,000ドル以上のハイエンド製品になると予想されている。その一方で、廉価モデルが2025年に向けて準備中とのアナリスト予測もあり、いずれiPhoneのように標準モデルやProモデル、「Reality SE」など価格帯に応じた製品が投入されるのかもしれない。