価格上昇とコンテンツ不足が理由

米Netflixユーザー、4人に1人が年内に解約意向との調査結果

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2022年に入り、会員数が減少し続けており苦境が伝えられるNetflixだが、この状況は今後悪化する可能性もありそうだ。

スマートホームやストリーミングサービスなどのレビューを実施しているReviews.orgは9月20日(現地時間)、1000人のアメリカ人を対象に実施したストリーミングサービスに関する調査結果を発表した。それによると、4人に1人が、2022年中にNetflixの解約を考えているとのことだ。

解約を考えているもっとも大きな理由は、Netflixの料金上昇。回答者の3分の2がこれを理由として挙げている。米国でのNetflixのベーシックプランは、3年間で11%アップ。スタンダードとプレミアムプランはそれぞれ20%と25%上昇している。米国で人気がある8つのストリーミングサービスの中で、Netflixの平均プランのコストが最も高いとのことだ。この料金の高さも原因になっていそうだが、一方で、調査対象の30%が家族以外とアカウントを共有していると回答している。

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Netflixは、このアカウント共有の取り締まりを強化し始めた一方、広告付きながら低価格のプラン導入を予定している

もう一つの不満点として挙げられているのが、人気コンテンツの少なさだ。回答者の3人に1人がNetflixで見たい番組がなくなったとしている。

現在ではオリジナル番組の制作にも力を入れているNetflixだが、もともとはテレビ番組や映画などのライセンスをストリーミング用に取得することで人気を博していた。近年ではこれらの番組や映画が、HBO MaxやDisney+など、他のストリーミングサービスに移っているという。またCOVID-19の影響により、人気タイトルの新エピソード配信が遅れたのも影響しているようだ。

厳しい調査結果が突き付けられているNetflixだが、Reviews.orgの調査によると、アメリカ人の5人中4人、78%はNetflixに加入しているという。米国では平均すると4つのストリーミングサービスに加入しているとのことだが、回答者の70%が「もっとも利用しているストリーミングサービス」としてNetflixを挙げている。2位がHBO Maxの9.91%なので、使用率の高さは群を抜いている。

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加入者減で厳しい状況が続くNetflixだが、今回の調査結果を見る限り、巻き返せる余地も十分にあるように感じる。そのためにはコストとコンテンツのバランスが肝心なのだが、まずは年内にも開始されるかもしれないという広告付き低価格プランがどのように受け止められるのか、注目したいところだ。

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