やっぱり魂のこもった曲を聴きたいものです
Deezerが「AI楽曲排除スイッチ」を導入へ。人間のクリエイターと作品だけに集中可能に

音楽ストリーミングサービスのDeezerは、AI生成楽曲がユーザーの画面に表示されないようにする切り替えスイッチを年内に提供すると発表した。
DeezerのCEOであるアレクシス・ランテルニエ氏は「AIが生成した音楽を除外したいというユーザーからの明確な要望があった」とし、ユーザーが「ストリーミング体験からこのコンテンツを完全に削除し、人間のクリエイターと作品だけに集中できるオプションを提供することにした」と述べた。
ランテルニエ氏は、この機能を導入するきっかけのひとつに、DeezerにアップロードされるAI楽曲が爆発的に増加したことを挙げている。2025年11月に実施した調査の結果を引用し、ユーザーの約45%が、フィードからAI音楽を除外する方法を望んでいることが明らかになったと述べた。

Deezerは昨年から、AI生成された楽曲を検出するツールを導入しており、定期的に同プラットフォームにアップロードされるAI楽曲数を報告してきた。当初はAI楽曲は1日にアップロードされる楽曲全体の10%ほどだったが、今年7月の報告では1日アップロード数の50%以上、1日平均9万曲ににまで増加したことを明らかにしている。Deezer全体では、これまでに4200万曲以上のAI生成楽曲がアップロードされているとのことだ。
音楽・エンターテインメント業界の分析会社Luminateが発表した、2025年5月から11月までの音楽制作におけるAI利用に対する意識調査によると、特にZ世代とα世代に属する若い音楽リスナーの間でAI楽曲に対する不快感が増加しているという。
Deezer以外の音楽ストリーミングサービスでも、AI楽曲への対策は行われつつある。たとえば、Tidalは6月にAI楽曲をアップロードするユーザーの収益化を停止している。Spotifyも、収益化停止まではいかないものの、プラットフォーム上でAI楽曲とアーティストをより目立つようにラベルを表示し、ユーザーが判別できるようにした。ラベル付けによる対応は、YouTube Musicも10月14日より開始しているほか、Apple Musicも、2026年末までにAI楽曲に「Made With AI」というラベルを追加することを目指していると報じられている。
一方、インディーズ系の音楽配信・販売サービスであるBandcampでは、AI楽曲を全面的に禁止している。
最近では、実在アーティストの名前に似せた紛らわしいアカウントでAI楽曲をアップロードしたり、アカウント大量のアカウントと大量のAI楽曲を分散的にアップロードすることで、プラットフォーム側の目を逃れつつ収益を得ようとする者も表れている。
Spotify、Apple Musicなどのプラットフォームは、まったく同じというわけではないが、楽曲の再生シェアや契約条件に基づいて権利者に支払う比例配分の仕組みを採用している。AI楽曲の再生割合があまりに増えれば、自らの才能で音楽を生み出しているアーティストが得るはずの分配金が減ってしまう可能性もある。
- Source: Deezer
- via: TechCrunch Engadget
