契約価格は高止まりのまま

DDR5メモリ価格が最大30%下落。Google技術が影響か

多根清史

Image:slexp880/Shutterstock.com

AIブームによる需要増を背景に、メモリ(RAM・NAND)価格は前例のない高騰が続いてきた。しかしここ最近、DDR5 RAM価格が急激に下落していると複数の情報源が報じている。

台湾メディア・経済日報によると、米国や中国の小売市場ではメモリモジュールの投げ売りが始まっており、とくにDDR5モジュールは最高値から最大で約30%下落したという。たとえば米Amazonでは32GBモデルが約490ドルから約380ドルへ、中国市場でも主流の16GBが1000元から700元前後へと、大幅に値を下げている。

また、台湾の市場調査会社TrendForceもほぼ同様の見方を示している。ドイツでは前月比でDDR5価格が7.2%、米国では20%以上、中国では25〜30%、さらに別の集計では中国で17〜35%と、いずれも急落している。

この要因の一つとして挙げられるのが、Googleが発表した新たな圧縮アルゴリズム「TurboQuant」である。生成AIの文脈では、このアルゴリズムは「同一モデルのメモリ使用量を最大6分の1に圧縮できる」可能性を持つ。そのためメモリ業界には大きな衝撃が走り、SK hynix、Samsung、Micronといった主要サプライヤーの株価が急落。小売サプライチェーンにも、メモリ需要の先行きに対する不透明感が広がっている。

もっとも、TrendForceは今回のDDR5価格下落について「消費者主導の短期的な調整」と結論づけている。台湾のメモリメーカーも価格崩壊を否定しており、大手顧客と結んだ契約価格は依然として堅調であるという。つまり、メモリ高騰を背景にしたPCやスマートフォン、ゲーム機の価格が、すぐに下がる状況ではないということだ。

仮にAIデータセンター需要が大きく減速すれば、時間をかけてメモリ価格も下がる可能性はある。しかしそれは同時に、世界的な景気の冷え込みを意味する恐れもある。今後の動向は引き続き注視する必要がある。

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