PCメーカーを通じて間接的にメモリ供給とのこと
Micron副社長、メモリは「2028年まで供給不足」。Crucial終了は“消費者軽視”ではないと強調

Micronの副社長(VP)であるChristopher Moore氏は、Wccftechの独占インタビューにおいて、同社がHBMなどAI向けの高利益製品を優先するあまり、消費者向けメモリ供給を意図的に絞り、価格高騰を招いているという見方は誤りだと主張している。
Micronは、消費者向けブランド「Crucial」事業からの撤退を発表し、その理由を「より規模が大きく、戦略的な顧客向けの供給とサポートを改善するため」と説明していた。この方針転換に対し、一部では「消費者を切り捨て、利益を優先した」との批判も出ている。
これについてMoore氏は、その認識は「必ずしも正確ではない」とコメントしている。Crucial撤退後も、MicronはDellやASUSなどのパートナーを通じて、消費者市場を間接的に支えており、「チャネルを変えただけ」だと強調する。
同社の市場シェアの大部分はOEM向けコンシューマーチャネルが占めており、Micronが供給したメモリはPCメーカーによって製品に組み込まれ、販売されているという構図だ。
さらにMoore氏は、現状を「Micron単独の問題ではなく、業界全体にとっての不幸な状況」だと説明する。
AIデータセンター向け需要が急拡大し、かつて市場全体の30〜35%だった需要比率が、現在では50〜60%にまで達しているという。競合各社も増産を急いでいるが、単純に供給量が追いついていないのが実情だとして、「我々は今も消費者向け市場にサービスを提供しており、需要に可能な限り応えようとしている」と述べている。
また、ファブ(半導体工場)を増設すれば即座にメモリ生産が増える、という単純な話ではないとも指摘する。現在の最大の課題は、メモリモジュールの容量バリエーションへの対応だという。
たとえばアップルなどの顧客が、8GB、12GB、16GBといった複数容量を同時に求めた場合、生産ラインを頻繁に切り替える必要が生じる。その結果、歩留まりの低下や生産効率の悪化を招く。従来はこうした要望に応えざるを得なかったが、現在は顧客と調整し、仕様の多様化を抑えることで、生産量の最大化を目指しているとのことだ。
このため、メモリの種類によっては生産ラインがなかなか割り当てられず、欠品状態が長期化する製品も出てくることになる。
Moore氏は、新ファブの拡張を進めているとしつつも、供給面で有意な効果が表れるのは2028年以降になるとの見通しを示している。
ファブ建設に加え、各種認証の取得や本格稼働、さらにAI顧客が要求する高い歩留まり水準を満たすまでに時間を要するためだ。その結果、ゲーマーや消費者向けDRAM価格は、今後数年にわたって高止まりする可能性があると示唆されている。
中国メーカーがメモリ不足を補おうとする動きは活発化しているが、その影響は限定的とみられる。
たとえばDRAM大手のCXMT(長鑫集成存儲)は、2025年に生産能力を前年比70%拡大しており、一定の技術進歩は見られるものの、性能面では依然として韓国勢に及ばない。最大の障壁となっているのは米国の輸出規制であり、AI向けHBMの輸出や先端半導体製造装置の調達が制限されている。
こうした状況の中で、中国メーカーがMicronの消費者市場シェアを奪う可能性について問われたMoore氏は、「競争がどの地域から来ようとも歓迎する」と語っている。
- Source: Wccftech
