タッチ操作でプレイできます
『Doom』移植、新たな標的は「自動調理圧力鍋」

ガジェットの開梱動画や分解動画を主に投稿しているYouTuber、アーロン・クリストフェルが、必要な食材を全部放り込んでボタンを押すだけで煮物や焼き物が調理できる「マルチクッカー」または「自動調理鍋」などと呼ばれる機器を分解し、かの古典3Dシューティングゲーム『Doom』をマイコンにインストール、タッチディスプレイで実際にプレイしてみせる動画を公開した。
今回、みごとDoomに汚染されたのは、T-Fal(KRUPS)製の自動調理圧力鍋「Cook4Me(クックフォーミー)」シリーズの高機能モデル「クックフォーミー タッチ」だ。
この電気鍋、Wi-Fi〜インターネット経由で調理可能なレシピを追加できたり、ディスプレイパネルをタッチ&スクロールする直観的操作で、そこに映る料理指南を見ながら調理を準備できるという、昭和世代には未来のテクノロジー満載のガジェットだ。
しかし、この鍋をいじくっていたクリストフェルの目には全く違う情報が飛び込んだ。それは、この鍋のWi-Fiセットアップメニューに隠れていた。
彼は「そこに表示されたMACアドレスの最初の3バイトがEspressifのものなので…おそらくESPが内蔵されている」と気づいたのだという。すでに何を言っているのかわからないと思うのだが、要するにこの電気鍋がWi-Fi通信に使用するチップに割り当てられた固有情報から、この鍋のタッチディスプレイを動かすマイクロコントローラーが、Espressif SystemsのESP32と呼ばれるものであることが(ひと目で)わかったということだ。
そしてすぐに、そのマイコンと搭載されているタッチディスプレイを使ってDoomを動かせることを理解したというのだ。
分解動画はその後このマイコンが搭載するCPUがRenesasのR7S721031VCであることを確認し、これが「非常にパワフルで、GPIOも豊富なArmコア」のチップであることを解説。同基板は、ほかにも128MBのフラッシュメモリー(ストレージ)と同容量のRAMが搭載され、静電容量式タッチコントローラー、ディスプレイドライバー、ビープ音用のスピーカー、外付けEEPROM、そして「未実装のSDカードスロット」が存在すると述べた。
クリストフェルはさらに、フラッシュメモリーのダンプデータからリバースエンジニアリングによってタッチディスプレイの初期化方法を見つけ、カスタムファームウェアを書いてチップに流し込むことで、Doomをタッチスクリーン上で動作、プレイすることを可能にした。
その様子は動画を見れば一目瞭然で、Doomは自動調理鍋全体ではなく、タッチディスプレイ部分の部品だけで軽快に動作している。画面は9分割され、中央にDoomのプレイ画面があり、それを取り囲むように、操作用のタッチ領域が割り当てられている。あとは、このタッチディスプレイ部を自動調理鍋に元通りに取り付けるだけだ。
インターネットに接続して動作するスマート家電も増えているが、今回の動画は本来インターネット接続など必要ではない機器にどうやってそれを付け足しているのかがよくわかる動画と言えるだろう。
クックフォーミーのコンピューター部分は独自に開発されたものではなく、シンプルなサードパーティ製マイクロコントローラーが司っている。よく使われているマイクロコントローラーなら、すぐにそれで何ができるのかが、わかる人にはわかるということだ。そして、同じコントローラーを使い、同じようなディスプレイを使用していれば、その機器ではかんたんにDoomが動かせると思っていいだろう。
ちなみに、Doomは昨年、すでに人工衛星上でも動作している。
- Source: Aaron Christophel
- via: Tom's Hardware
