常にヘイSiriの声が届く距離感にある頼もしさ

Apple Watch、またも命を救う。事故で四肢麻痺も「ヘイSiri」で緊急通報

Image:Hadrian/Shutterstock.com

いざという時に最も“身近”にあるアップル製品は、iPhoneやiPadではなくApple Watchだろう。手首に巻き付けて装着しており、転落や転倒したときや、流れの速い川の中でも身体から外れにくいためだ。

そのApple Watchを通じて、事故で手足が動かなくなった危機的な状況のなか「ヘイSiri」により助けを呼ぶことができ、命を救われたとの談話が報じられている。

米カリフォルニア州出身のライアン・マコナヘイ(Ryan McConnaughey)氏は、「Apple Watchを使って救助を呼ぶ電話をかけるなんて、思いもよらなかったよ」と振り返っている。

マコナヘイ氏は今年初めにマウンテンバイクを楽しんでいたところ、急な坂道で自転車が前のめりとなり、ハンドルを飛び越えて地面に頭から激突した。そのとき痛みはあまり感じなかったが、首から下が動かせなくなったという。一刻も早く医師の診察を受けるべきだと分かっていたが、あいにくiPhoneはバックパックの中にあった。

そこで彼は、とっさにApple Watchに向かって「ヘイSiri」と呼びかけ、自分の居場所を知っているはずの自転車仲間に電話をかけた。そして友人とともに911(緊急通報用番号)に電話し、ガールフレンドに別れを告げるボイスメールを残したという。この音声は、TikTokで拡散されたとのことだ。

その後、マコナヘイ氏はまもなく病院に空輸され、何度も手術を受けた。首の砕けた椎骨を安定させ、損傷した脊椎への圧迫を和らげるためだ。そして四肢麻痺と診断され、数ヶ月のリハビリを経て帰宅し、指は動かせないが腕と手首の動きは取り戻された。

マコナヘイ氏は「あの時計は僕の命を救ってくれた、間違いなく。誰も僕を見つけることはできなかったでしょう」と感謝の意を語っている。今後もApple Watchは、マコナヘイ氏の新たな人生とともに歩み続けるようだ。

Apple Watchは転倒通知(しばしば失神を伴う)のほか、身動きが取れずiPhoneを手に取れない状況で人命を救ったとの報告が数多くある。たとえば氷が割れて川に落ち、低体温症の危機に晒された男性が、「ヘイSiri」で救助を求めて一命を取り留めた話もあった

将来のProモデルに「圏外でも緊急メッセージが送れる衛星通信機能」が搭載されれば、さらに多くの人命が救われることになりそうだ。

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