電波の届かない山でも海でも命綱になるかも
将来の「Apple Watch Pro」は衛星通信対応、圏外でもSOSや緊急通報できる可能性
ここ1年以上にわたり「新型iPhoneには衛星通信機能が搭載され、キャリアの電波が届かない場所でも緊急通報できる」と噂されてきた。それが今年秋の「iPhone 14」シリーズで実現するという噂がある中、将来的には大型かつ頑丈な「Apple Watch Pro」にも実装されるとの予想が報じられている。
この情報は、Bloombergの名物記者Mark Gurman氏がニュースレター「Power On」最新号で述べていることだ。Gurman氏は1年前、同機能がiPhone 13シリーズに搭載されると予想。そちらは外れてしまったが、今年4月には改めてiPhone 14世代で実現する可能性があり、SOSや災害報告ができると主張していた。
最新記事でGurman氏は、米T-MobileとSpaceXが発表した「Coverage Above and Beyond」に言及し、今後はキャリアの電波が圏外でも、衛星通信を通じてやり取りできる流れが進むと示唆している。キャリアの電波が届かない場所で、ボート事故や銃乱射事件などを緊急通報できる機能をiPhoneが備えることも、現実味があるというわけだ。
キャリア基地局との接続なしにファーストレスポンダー(警察や救急隊員など「最初に事故に対応する」職種)に通報できるiPhoneは、アップルが計画していることの始まりにすぎないという。最終的にはユーザーはどこにいても電話を掛けられたり、5Gネットワークと衛星サービスを組み合わせることで、いつの日かiPhoneが最も強力なグローバル通信機器に生まれ変わるかもしれないとのことだ。
またGurman氏は、アップルの提携先として噂されているGlobalstarは「今年の大半を費やして、大きな新しい構想のための土台を築いてきた」とも付け加えており、かなりの確証を得ているようだ。
さらにその機能は、Apple Watchへの搭載も社内で検討されており、将来的にはApple Watch Proに内蔵する可能性があると述べられている。
ちなみにスマートウォッチが衛星通信機能を搭載したり、衛星ネットワーク経由でテキストメッセージを送信したりすることは絵空事ではなく、すでにGarminのinReach製品が実現している。もっとも月額料金がかなり掛かるため、アップル製品では「無料かどうか」に関心が集まるかもしれない。
とはいえ、あくまでGurman氏は「将来の」と但し書きを付けており、来月にも発表される第1世代のApple Watch Proモデルでは望み薄かもしれない。
とはいえ、Proモデルは登山やエクストリームスポーツ向けに頑丈に作られていると噂されることから、キャリアの電波が届かない場所で使われる場合も少なくないはず。アップル製品による緊急通報で命が助かった報告も数多くあり、もし実現すれば強力なセールスポイントになりそうだ。