前世代チップを使って価格を抑えるかも
Snapdragon X Eliteチップ、将来の「Android PC」に搭載か

米クアルコムが、将来のAndroid PC向けに「Snapdragon X Elite」チップを準備していることが明らかになったと報じられている。
Googleとクアルコムは、2025年9月のQualcomm Summitにおいて、PC向けにAndroidとChrome OSを統合した新OSを開発しており、2026年にリリース予定であると発表していた。クアルコムのクリスティアーノ・アモンCEOは、そのユーザー体験について「驚異的だ(incredibly excited)」と表現している。
これまでChromeOS上でAndroidアプリを動かすことは可能だったが、それはエミュレーションや互換レイヤーを介したものであり、すべてのアプリが完全に動作するわけではなかった。とくに高性能を要するアプリや特殊なハードウェア機能を利用するものは制限が多かった。ChromeOSの強みはウェブベースのクラウド作業やLinuxアプリの対応、マルチウィンドウ操作にあり、これらは逆にAndroidが苦手とする部分でもある。
一方でGoogleは2024年6月時点で「ChromeOSをAndroidの技術基盤上で開発していく」という方針を示しており、今後はより広範なAndroidアプリを高いパフォーマンスと互換性を維持したまま、デスクトップPCに近い操作感で利用できるようになる見通しだ。
リーカーの@Jukanlosreve氏はX(旧Twitter)にて、Android 16の非公開コードリスト内に「Snapdragon X Elite」および下位モデル「Snapdragon X」チップの記述を含むスクリーンショットを投稿している。これは、PCメーカーが両チップを使ってAndroid PCを開発中であることを示唆するものだ。
Snapdragon X Eliteは2024年に登場し、ArmベースのWindows PCで優れたパフォーマンスを発揮することが実証されている。それ以前にもArmベースPCは存在していたが、性能面で満足できるものではなく、有力な選択肢とはなり得なかった。
しかし現在では、Windows向けのArmネイティブアプリが増え、手頃な価格のSnapdragon Xチップも登場したことで、対応PCのラインナップは着実に拡大している。こうした流れを踏まえると、Snapdragon Xシリーズを搭載したAndroid PCは非常に魅力的な構想だといえる。
さらにクアルコムは、すでに第2世代チップ「Snapdragon X2 Elite/Extreme」を発表しており、2026年発売予定のWindows PCにおいて大幅な性能向上を約束している。Android PCには、前世代チップを採用することで製造コストや販売価格を抑える戦略をもあり得そうだ。
- Source: @Jukanlosreve(X)
- via: 9to5Google
