メインチップの量産体制が強化されて、品薄が解消する可能性も
Nintendo Switch 2、有機ELモデルも将来的に登場か。サムスンが提案中との情報

Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)は液晶ディスプレイを搭載しているが、将来的に有機ELモデルが登場する可能性が浮上している。
米Bloombergの報道によれば、サムスンは任天堂に対し、スイッチ2の将来モデルに有機ELパネルを採用するよう働きかけているという。サムスンはスイッチ2のメインチップ製造を担っているほか、初代スイッチ向けにNANDフラッシュメモリや有機ELパネルを供給してきた主要サプライヤーでもある。
スイッチ2に有機ELモデルが用意されているという話は、正式発表前からすでに噂されていた。もっとも、標準の液晶モデルも初代スイッチより価格が上昇しており、当面は有機ELモデルの投入が見送られるとの見方が強かった。
今回の報道では、任天堂がスイッチ2の生産能力を強化するため、メインチップの製造をサムスンに “委託” したとも伝えられている。これにより、2026年3月までに2,000万台超のスイッチ2を出荷できる可能性があるという。これは、任天堂が発表した販売予想(1,500万台)を大きく上回る数であり、抽選販売に落選していたユーザーにとっては朗報だろう。
なお、スイッチ2のメインチップは当初からサムスンの8nmノード製造と広く認識されており、今回の “委託” は新規契約ではなく、パートナーシップの強化や本格的な量産体制への移行と見られる。
Bloombergは、この提携強化が任天堂とサムスンの双方にとって有益であることを強調している。初代スイッチのチップはTSMCが製造していたが、スイッチ2ではサムスン製へと切り替えたことで、任天堂はTSMCの生産枠をめぐる競争を回避できる。一方、サムスンにとってもこの契約は大きな勝利であり、世界の半導体市場でTSMCと競合する上で戦略的な意味を持つ。
また、スイッチ2のメインチップが将来的に8nmから5nmに微細化される可能性についても、複数の情報源が伝えている。韓国の大手メディア「朝鮮日報(Chosun Biz)」によれば、任天堂は当初、サムスンの8nmと5nmのどちらを使うか検討したが、コストと歩留まりの面で優位な8nmを選択したという。ただし将来的には、性能向上モデルにおいて別のプロセスを用いる可能性もあるとのことだ。
もっとも、携帯モードでの使用が重視されるスイッチ2において、電力消費が増す高性能モデルの投入は現実的ではない。従来のスイッチと同様、基本的な仕様を保ちつつバッテリー駆動時間を延ばした改良モデルや、小型・廉価なLiteモデルの登場につながるのかもしれない。
- Source: Bloomberg
- via: Chosun Biz